用語説明

吸収式冷凍機による冷却の原理

吸収式冷凍機は,一般に蒸発器,吸収器,再生器,擬縮器から構成されている。蒸発器には,空調機に送られて冷房に使われる冷媒が流れており,そのパイプ表面に水がかけられる。蒸発器内は真空に保たれているため水は急激に蒸発して冷媒から熱を奪う。すなわち気化熱を利用して冷媒を冷却する。蒸発器内で熱を奪った水は水蒸気になって吸収器に送られ,濃い吸収剤(リチウムブロマイド,塩の一種)に吸収される。水蒸気を吸収して薄くなった吸収剤は再生器に送られる。再生器では,薄くなった吸収剤を燃料電池排熱のような高温の熱エネルギー(図中では温水)によって加熱し,吸収剤から水を追い出す。吸収剤から追い出された水蒸気は凝縮器で冷却され,再び蒸発器に戻される。水蒸気が凝縮する際に発生した熱は,冷却水により冷却塔に運ばれて大気中に排出される。一方,再生器で濃くなった吸収剤は再び吸収器に戻される。このようにして高温の熱により冷却を行う。

図_冷却の原理