ITU-R(ITU無線通信部門)
International Telecommunication Union - Radiocommunication Sector
旧CCIRのことで,無線関連の課題の検討と勧告の作成を行う国際標準化組織。182カ国の電気通信主管庁,通信事業者,メーカ等が参加している。1993年3月よりITU-Rに改組され,1993年11月,無線通信総会(RA)が開催され,新体制で活動が開始された。
無線通信システムは限りある電波資源を使用することから,この有限な資源を効率的に利用するための技術や,同じ周波数を使用する複数の無線システム間で周波数を共用するための技術を研究し,世界標準として勧告を作成することがITU-Rの主要な使命となっている。さらに,世界の限られた周波数や衛星軌道の資源を分け合うための国際的な手続きを策定し,無線通信規則として制定するミッションも帯びている。
組織構成としては,ITU-R諸活動の戦略を策定し,研究課題の進捗状況を監督,作業指針の策定を行う無線通信アドバイザリグループおよびBR(Radio-communication Bureau;無線通信局),実際の研究を担当する8つの研究委員会(SG)から構成され,ITU-R全体の意思決定等は2年ごとに開催されるRA[Radio Assembly;無線通信総会(主に研究・勧告の取りまとめ)]とWRC[World Radio Conference;世界無線通信会議(主に無線通信規制の改定)]で行われる。8つの研究委員会は,衛星を利用した無線通信システムに関する研究課題は第4研究委員会,携帯電話等の移動通信システムに関する研究課題は第8研究委員会というように,システムの目的(用途)等により分類されている(表)。
◆ 《CCIR(International Radio Consultative Committee;国際無線通信諮問委員会)》
無線周波数スペクトラムの使用,無線システムの特性と性能,無線局の運用および遭難・安全に関する無線通信の課題の検討と勧告の作成を行う国際組織。1993年3月よりITU-Rに改組された。