MIA仕様
Multivendor Integration Architecture
NTTと(株)NTTデータが国内外のコンピュータ・ベンダ5社と共同研究によって開発した汎用コンピュータのインタフェース仕様。コンピュータ調達に使われることが主な目的となっている。MIA仕様は1988年に開発が始まり,1991年1月に第1版が公表された。MIAの効果はユーザとベンダの両者に生まれる。ユーザにとっては,マルチベンダ化で起こる異なるコンピュータ間のプログラム移植性や通信の問題点が解決できること,そしてコンピュータ選択の自由度が向上するといったメリットがある。ベンダにとってのメリットは,オープンで公平な立場に立ってNTTの調達に参加できることや,共通のインタフェース仕様を前提としたパッケージ・ソフトを開発できる。MIA仕様の規定内容は,国際/国内の業界標準を取り入れたものとなっており,以下の3つの共通インタフェース仕様を定めている。
(1) 実行環境インタフェース
① アプリケーション・プログラム・インタフェース(API):基本ソフトウェアとAP間のインタフェース。
② システム間接続インタフェース(SII):通信プロトコル。
③ ヒューマン・インタフェース(HUI):画面表示形式と操作方法。
(2) 開発環境インタフェースAP開発を支援するCASEツールと基本ソフトウェアの間のインタフェース
① 環境間情報交換インタフェース。
② 開発情報を開発環境から実行環境に渡すインタフェース。
③ APソースやデータを実行環境間で交換するためのインタフェース。
◆ 《タスクとプロシジャ》
MIAのトランザクション処理APにおいて,通信処理や回復処理等のトランザクション制御を分担する部分をタスク(Task)と呼び,MIAで独自に規定した構造化トランザクション定義言語(STDL)で記述する。一方,DBアクセスや計算等の業務処理を行う部分をプロシジャ(Procedure)と呼び,COBOL/C/SQLで記述する。