PDS伝送技術
PDS伝送技術は,経済的な光アクセスシステムを実現する基本技術で,1986年研究開発に着手した。光スプリッタを用いてNTTビルにあるSLT(光加入者線端局装置)を複数のONU(光加入者線終端装置)で共用し経済化を図るもので,お客さまから送信される光信号がNTTビル側で衝突しないようタイミングの調整等を行う。
PDS方式は光アクセス網をメタリック設備並みのコストで構築するために採用された。本方式は,NTTセンタに設置されたSLTと,ONUの間に光ファイバを分岐する光スプリッタと呼ばれる受動素子を設置し,SLT内の1つのOSU(光加入者線終端盤)を複数のONUで共用できるため,低コストでの光アクセス網の構築が可能となる。
PDS伝送方式は,光カップラを用いた1対32のツリー型の線路構成の上で,下りの信号は放送型で伝送し,各ONUで必要な信号のみを分離して受信する。一方上り信号の場合は,各ONUから送出される信号が光スプリッタで互いに衝突しないようTDMA技術を用いて制御する。その最大の特徴は,アクティブな電気回路を途中に設置することなくユーザ回線の多重化を実現している(図)。