用語説明

PHS(簡易型携帯電話)

Personal Handy-phone System

屋内のコードレスホンの子機をディジタル化し,屋外でも使えるようにしたシステム。多数の無線基地局を設置することにより1つの基地局がカバーするエリアを小さくし,弱い電波を使って通信ができるため電話機や基地局を小型化できる。電波を受発信する基地局のアンテナを電話ボックス,ビル,地下街に設置するもので,基地局からの通信半径が100~500mと携帯電話より通話範囲は限られるが,低消費電力かつ利用物も割安等の特徴がある。しかし,携帯電話に比べ通信エリアが限られ高速走行中の自動車や電車からの通話はできない等の難点がある。1995年7月からサービスを開始。

従来のセルラー電話に比べて,はるかに多くの人々に,より低いコストで移動通信を提供できる新しいマイクロセルコードレス通信技術が世界各地で開発されている。日本ではPHS,ヨーロッパではDECT,北米ではPACSがそれぞれ開発され,開発された地域の市場環境により仕様が若干異なる。

◆ 《HLR(Home Location Resister)方式》

ローミング中のPHS端末が発着信できるようにする仕組みの1つ。発着信時等,呼ごとに位置情報や認証情報を契約先(Home)PHS事業者網へ問い合わせる方式。

◆ 《VLR方式》

ローミング中のPHS端末が発着信できるようにする仕組みの1つ。ローミング開始時にのみ契約先PHS事業者網から加入者情報を取得し,在圏(Visited)PHS事業者網に蓄積する方式。

◆ 《PNパターン(Psendo Noise Patterm)》

2値擬似雑音信号。一定の周期性を持つランダムな信号ビット系列であり,PHSでの秘話対策のために用いられている。

◆ 《秘話パターン》

PNパターン発生回路から作成されたランダムなビットパターン。

◆ 《位置登録》

PHSのネットワーク機能の1つ。一般加入電話はネットワークに有線で固定的に接続されるため,端末と位置があらかじめ関係付けられている。一方,PHSはネットワークとは無線で接続されており物理的位置の制約から解放される。これはPHS端末への着信を可能とするためには常にPHS端末の位置を更新,登録しておかなければならないことを意味する。この位置を更新,登録するための動作を位置登録と呼ぶ。