用語説明

エースモール(非開削)工法

NTT独自に開発した,道路を掘削しないで地下管理を布設する非開削工法。都市部等における基盤設備の建設環境は,道路掘削規制の強化による夜間作業の増大と,建設労働者不足の深刻化および舗装復旧費・労務費の上昇等により,厳しい状況になっている。そこで,施工制約を受けにくく,かつ労働者の負担を軽減できる非開削工法(エースモール工法)が適用されている。土質(土の種類や硬さ)と推進距離に応じて推進マシンを使い分けしている。エースモールxxxは,NTTが独自に開発した地中推進工法により,カーブがあっても長距離を堀り進み,何条もの地下管路を建設できる高精度の制御技術を搭載したモグラロボットのこと。

◆ 《エースモールPC10MP》

Ø 300~350 mmの中口径管路を軟弱な地盤から普通土質までを約100m程度推進するのに適したモグラロボット。小規模立抗から先端装置を圧入し掘削排土することなく,1工程目にパイロット管を推進し,2工程目で中口径管路を布設する。

◆ 《エースモールPL30S, C》

Ø 300~350 mmの中口径管路を軟弱な地盤から普通土質を,約500 m程度推進するのに適したモグラロボット。半径150 m以上の曲線推進も可能。PC10MPと同じ圧入無排土方式であるが1工程で中口径管路を布設できる。元押し装置のジャッキ搭載位置を改良することで,立坑幅を縮小した「PL30S」(スリムタイプ),先端装置を分割し推進することで立坑の長さを縮小した「PL30C」(コンパクトタイプ)がある。

◆ 《エースモールDL35S,C》

Ø 350~450 mmの中口径管路を普通土質から硬土質まで,約200 m程度推進するのに適したモグラロボット。半径150 m以上の曲線推進も可能。先端のカッターを回転させ掘削し,土砂を取り込む掘削排土方式を採用している。「PL30S」(スリムタイプ),「PL30C」(コンパクトタイプ)と同じように,「DL35S」(スリムタイプ),「DL35C」(コンパクトタイプ)がある。

◆ 《エースモールDC15ME》

Ø 300~400 mmの中口径管路を普通土質から硬土質まで約100 m程度推進するのに適したモグラロボット。先端に掘削ビットを装着し回転させ掘削廃土しながら推進する方式で,推進にかかわるすべての作業を機械化・自動化したことで小規模な立坑からの推進が可能。

◆ 《エースモール1200-M2工法(トンネル築造ロボット)》

長距離の小口径トンネル掘削工程を自動化することにより,困難な坑内作業を解消するとともに工費の経済化を図ることを目標とするため開発された。本工法はその自動化施工技術とトンネル材料のユニークな特性から横浜市下水道局に採用され,同市の下水道管渠(かんきょ)新設工事で活躍している。