用語説明

オープン・ラボ

通信や情報部門に加えて,社会科学,人文科学等,多彩な分野の研究者が世界中から参加するオープンでバーチャルな研究所のこと。コミュニケーションの学際的研究の推進を図るのが目的で,1996年に創設された。

オープン・ラボは以下の3点とともに設立された。

① 工業社会から情報社会への転換期にあたり,新たな技術開発の指針が必要となっている。

② 人間行動,社会活動の探究が今後の技術開発に必須である。人文・社会科学系の研究においても,技術系の協力が必要な時代となっている。

③ 人文・社会科学を含めた広範囲な専門家によるオープンな「場」における,技術的,社会的,かつ歴史的先見性を持った知識創造がマルチメディア開発競争上,重要である。

オープン・ラボの目的は,

・ 国内外の多彩な英知と協力し

・ 情報通信が21世紀の世の中に受け入れられる条件や,それが人間や社会に及ぼすインパクトや意味を探究し,洞察し,<How>

・ 新しい情報通信の概念を創出し,<What>

・ 新たな技術開発に反映させる。

また,マルチメディアに関する概念的議論を行い,これを通してマルチメディア利用と社会変化という観点から,以下の4つの具体的テーマを設定して研究を進めている。

① マルチメディアコンテンツをどのようにしてクリエイトするか(ディジタルシアタープロジェクト)

② 作成したマルチメディアコンテンツをどのように流通させるか(マルチメディア・アーカイブスプロジェクト)

③ ネットワーク上でどのようにしてこのようなコンテンツ等を取引するか(経済取引プロジェクト)

④ このような一連の過程を通じて,マルチメディアによって世の中がどのように変容してきたのか,また,人々にどのように受容されるのか(メディアの受容と変容)

この他,マルチメディアを教育に生かせる人材を考えるディジタル社会の教育プロジェクト,社会的要素を考慮した遠隔高度専門教育効果の尺度を考える遠隔専門教育プロジェクトについても研究を進めている。