用語説明

関門交換機(IGS)

Interconnecting Gateway Switch

相互接続のための関門交換機をいう。通信路の設定事業者間料金精算情報の送出,発信者番号の転送などの機能を有している。1985年に電気通信事業が自由化され,多くの事業者が参入してきた。これらの事業者間で相互接続をしなければ,その事業者のネットワーク内に限定された通信しかできず,利用者にとって非常に不便なものとなる。それぞれの事業者網への接続には,交換機間のインタフェースで接続する方式(中継線接続)とNTT網の端末設備と見なして接続する方式(加入者線接続)があり,中継線接続では長距離系,自動車系,接続型PHS事業者等と,加入者線接続では船舶無線電話事業者等と接続している。このうち中継線接続を行う場合には,基本的には相互接続点POI(Point Of Interface)ごとに関門交換機能を設置しており,NTT側に設置するものをIGSと呼んでいる。なお,IGSは中継交換機と併合される場合もある。このIGSの主要な機能としては,次のとおりである。

(1) 接続制御機能

① 接続事業者コード等により,NCCとNTT間の通話路を設定する。

② NTT網とNCC網間での必要な信号の伝達を行う。

③ NTT網またはNCC網が輻輳したとき接続を規制する。

(2) 事業者間料金精算データ収集機能事業者ごとに料金精算を行うためのデータを収集する

(3) 保守運用機能回線開通時等の試験機能および保守機能を持つ

基本的には他の中継交換機と機能は同じであるが,(2)の事業者間料金精算データ収集機能を持っていることが大きな違いである。なお,IGSには長距離系,地域系等の事業者種別ごとにサービス仕様が異なるため個別の機能も盛り込まれている。なお国際系事業者との接続については,国際電気通信役務の国内部分の業務委託であり,制度的には“相互接続”とは呼ばないが,網構成等はほぼ同等である。

◆ 《GS(Gateway Switch;事業者関門交換機)》

相互接続の相手事業者側の関門交換機をいう。