「○○®」
®はRegistered Trademark(登録商標)の頭文字からとったもので○○が登録商標である旨の表示として,アメリカでは登録商標の十分な保護を受けるためには表示しなければならないと規定されている(米国商標法では®表示がないと,差止請求はできても損害賠償請求等はできない)。日本では,アメリカと異なり登録商標である旨を表示する義務はなく,努力規定であるので登録商標である旨の表示の有無と商標権の効力とは無関係である。日本では,その商標が登録商標であることを示す正式表示は「登録商標第△△△号」であるが,デザインや表示スペース上の制約から「登録商標」や「®」が慣用されている。これらの表示は他社が商標権を侵害しないようにあらかじめ警告し,また登録商標が普通名称化するのを防止するうえで極めて有効である。一方,事実に反する表示を自己の商品やサービスの識別目的で使用すると競業者の商標選択の範囲を不当に制限し,消費者に誤解を与える虚偽表示として罰せられる。すなわち,特許庁に出願し審査継続中の商標はもとより,権利期間満了後の商標,外国で登録済みでも日本では未登録の商標,さらには登録商標であっても権利範囲以外の商品やサービスに使用する場合等において,「登録商標第△△△号」と表示することは虚偽表示に該当するが,「登録商標」,「®」もこれと紛らわしい表示として虚偽表示の責任を問われるおそれがある。