ディジタル化完了
NTTの電気通信ネットワークは電電公社が発足した翌年の1953年以来,積滞解消・全国自動即時化を目標として,6次にわたる五カ年計画により構築し,1978年3月に「積滞解消」を,また1979年3月には「全国自動即時化」を相次いで達成した。
当初ネットワークの大半はクロスバ交換機とアナログ伝送装置を中心としたアナログ方式で構成していたが,技術革新や開発等の結果,ディジタル交換機を経済的に導入することが可能となり,1983年D70形自動交換機を導入したのをはじめとして,1984年には武蔵野・三鷹地区でINSモデルシステムの実験をスタートした。
NTTではディジタル化の完了年度を2005年度に定め,ネットワークの更改に取り組んでいたが,多彩なサービスの実現,電気通信設備の経済化,業務運営の効率化,公正競争条件の確立等の観点から,ネットワークのディジタル化は早期に達成すべき課題であるとして,社内外からの強い要望があり,完了年度の前倒しの検討を行い,1990年12月には「ディジタル化の完了年度を1997年度とする」と大幅な前倒しを行うことにした。
1997年12月17日,NTT岡山支店管内で西大寺~岡山瀬戸間の伝送路のディジタル化,NTT姫路支店管内の曽根別館ビルの加入者線交換機のディジタル化により,NTT電気通信網のディジタル化が完了した。