パーソナルモビリティ
端末番号と個人番号の対応管理により,個人の移動した先で自由に通信できることをいう。電話機に電話番号を割り当てるのではなく,個人対応に電話番号を割り当てることにより,どこにいても近くの電話機が,普段使用している電話機と同じように使用できる。具体的には,自分の近くの電話機から自分宛の電話がとれたり,全国どこへ転居しても全く同じ番号で電話サービスが受けられる。さらに料金は個人ごとの電話番号に課金されるので,携帯電話機の一時レンタルサービス等が容易に実現できる。個人の移動(パーソナルモビリティ)通信を実現するためには,(1)端末の移動性(ターミナルモビリティ)と(2)番号の可搬性(ナンバーポータビリティ)の2つの能力が必要である。
(1) ターミナルモビリティ
ユーザの位置する地理的状況やユーザがアクセスするネットワークに関係なくユーザの端末が利用できることであり,PHSや携帯電話のような端末がこれに該当する。ターミナルモビリティを実現するためには無線インタフェースを単一のインタフェースとするか,あるいは基地局と端末を異なる無線方式に対応可能なマルチモードにする方法がある。
(2) ナンバーポータビリティ
番号の可搬性であり,①ユーザの位置に関係なく使用できるロケーションポータビリティ,②ネットワーク事業者を移行しても同じ番号が使えるサービスプロバイダポータビリティ,③アナログからISDNへの移行のようにサービスが変わっても同じ番号が使えるサービスポータビリティがある。