用語説明

波長多重通信と周波数多重通信

ラジオやテレビ放送では,多数の放送局の中から所望の放送局を選択し,その放送局が提供するスポーツや音楽といったいろいろな番組を楽しむことができる。これは,各放送局ごとに固有の周波数が割り当てられており,視聴者はチューナーで所望の周波数の電波のみを選択的に受信できるからである。光通信においても,異なる周波数(しがたって異なる波長)を有する複数の光に情報を乗せ,これらを1本のファイバで伝送する方式が研究されている。この方式を波長多重通信あるいは周波数多重通信と呼ぶ。両者の間に明確な区別はないが,慣例として,各チャネルの周波数間隔が大きい(例えば100 GHz以上)場合には波長多重通信,小さい(例えば10 GHz)場合には(光)周波数多重通信と呼ばれることが多い。波長/周波数多重通信技術は,伝送容量の大容量化や波長ルーチングを用いた柔軟なネットワークを実現するうえで鍵となる技術である。