近年のMPEG-2符号化装置の普及を受けて，１トランスポンダ当り１チャネルのアナログ映像を伝送する従来のSVCS（衛星ビデオ通信サービス）に対して，ディジタル化による多チャネル化を図るシステム。

本システムは，機動性のある可搬送受信局，固定設置タイプの送受信局，低コストで受信のみを行う受信専用局，回線予約管理および装置・回線監視を行う統制局，お客さまが回線設定の時間予約を登録可能なユーザ統制局，および送受信局を制御する衛星制御回線の送受信を行う制御局から構成される。１トランスポンダ当り４チャネル（N-STAR利用の場合）の6.3 Mbit/sのディジタルデータ伝送が可能で，また変復調装置（MODEM）にMPEG-2符号化装置を接続すれば現行アナログ放送と同程度の品質の映像伝送も可能となる。

◆ 《トランスポンダ（Transponder；衛星中継器）》

衛星のアンテナで受信した微弱な信号を周波数変換/増幅し，再び地球へ送信するための装置。N-STARのKu帯（14/12 GHz）の場合，54 MHzの帯域である。トランスミッタとレスポンダの２語をつなぎ合わせた略語。