ERP
Enterprise Resource Plann-ing
企業資源計画の略であり「企業全体を経営資源の有効活用の観点から総合的に管理し,経営の効率化を図るための手法・概念」を意味する。
◆ 《BPN(Business Process Navigator;ビューモデルによる分析手法)》
ERPパッケージ導入時の適用分析作業を支援するための技法。BPNを適用することにより,日本の慣行・慣習に合わせつつビジネスプロセスの変革を行い,ERPパッケージの持つ機能を最大限に生かした適用分析が可能になる。
BPNでは,ERP適用分析を行うために,(1)EMS(Event Message Sequence),(2)PPA(Process Pattern Activity),(3)IRA(InterRole Action)の3種類のモデルを考案した。
(1) EMSモデル
一連の業務フローをアクティビティユニットの連結によって表現する。アクティビティユニットとは「受注」や「見積」等の業務の単位をいう。EMSモデルを用いて,アクティビティユニットの処理時間,コスト,業務フロー全体での位置づけ,組織統廃合等の現実世界の在り方について適切であるかを分析する。
(2) PPAモデル
個々のアクティビティユニットについて,時系列的な処理の詳細な流れとルールを記述した基本処理パターン。PPAでモデル化する要素としては,活動の時系列的な形態を制御するシンボル,シンボル間のリンク,PPAモデルの時間条件,コスト,活性化条件等の付加価値情報がある。
(3) IRAモデル
EMS,PPAモデルだけでは,実際の組織活動の時間制約条件等のシステム化に必要なインタフェース条件を明確にモデル化できない。例えば,慣習の相違に基づく時間制約条件,業務担当者にとっての冗長な処理の改善等のモデル検証は,EMS,PPAモデルでは表現できない。そのため,業務担当者のシステム利用に対する要求条件の検証,組織の役割等に対する時間的な制約,慣行慣習への影響の検証はIRAを利用する。BPNでは,EMS,PPAモデルをもとにIRAモデルを作成する。