FBE(共通APフレームワーク技術)
Framework Based Environ-ment
SE(System Engineering)力の強化,開発手法・管理手法の標準化,生産性・品質の向上,納期短縮および低コスト化を推進するOpS系共通APフレームワークのこと。
FBEは仕様検討(Specification)業務と製造(Production)業務の工程専担化施策およびプロジェクト横断的なリソースの最適配置施策等の開発形態とOpSソフトウェア構造を統合する手段としてのオブジェクト指向に基づくAP共通フレームワーク(COOSA)および生産手法を統合する手段としての各種プロジェクト管理手法を組み合わせて提供する。
◆ 《COOSA[Collaborative Object Oriented System Architecture(コーサ);AP共通フレームワーク]》
アプリケーションを再利用する仕組み/骨組み(APフレームワーク)を共通の性質を持つオブジェクトの集合(クラス)の集まり(クラスライブラリ)で提供する枠組みで,オペレーションシステムのアプリケーションソフトの再利用を大規模に促進し,オペレーションシステムの開発期間短縮/コスト低減/品質向上を図るもの。
COOSAは,以下に述べるイベント駆動方式のMVCモデルを実装方法として採用しており,①システムが対象とする実世界をシステム上に実現するモジュール(M:Model),②オペレータと相互作用を行うモジュール(V:View),③M/Vを制御するモジュール(C:Controller),に分類されている。さらに,モジュールの構成要素は,システム共通基本モジュール(Core),個別システム依存オブジェクト(Shell),複数システム間共通オブジェクト(Common Shell)に分けられ,CoreにShell,Common Shellをプラグインする形で拡張することを可能としている。
◆ 《APフレームワーク》
AP(業務アプリケーション)のアーキテクチャもしくは実装方法に制限を加える枠組みのこと。
以下のようなメリットがある。
① システム個別に実装方法を考える必要がない。
② コア部分はそのまま流用できる。
③ 部品のインタフェースを決めているので,再利用しやすい。
また規定方法は様々あるが,COOSAではcore/commonshell/shellという3つのクラス階層を持つことでAP実装方法に制限を加えるという方法をとっている。coreクラスは基本構成部品であり,すべてのシステムにCOOSAとして提供する。なお,coreクラスはshellクラスとのインタフェースを規定している。shellクラスはシステム依存の構成部品で,システム開発の際につくり込む。shellクラスの中でも複数のシステムに共通となるものはcommonshellクラスとしてCOOSAの製品に組み込む。これら3種類の部品の接続方法はオブジェクト指向技術の継承機能を利用したプラグイン構造(図)となっており,ソケットの役割をするcoreのインタフェースに合うshellを作成し,coreに差し込んでいくという考え方でAPを構築していく。
◆ 《MVCモデル》
再利用性の高い対話形式のソフトウェアを設計/実装するための機能モデル。
MVCモデルの各機能は以下のとおり。
・ M(Model):現実世界のオペレーションを対象にアクセスし,その状態をシステム内に保持するモジュール。
・ V(View):オペレータと相互作用を行うモジュール。オペレータに情報を知らせる出力系とオペレータからの指示を受ける入力系機能で構成される。
・ C(Controller):MとVを管制/制御し,業務を遂行するモジュール。