IEEE1394
ハードディスク等のパソコン周辺機器を接続することを目的に,次世代シリアルバスインタフェースとして米国のパソコンメーカを中心に策定が始まり,IEEEが標準化した規格。本規格は以下の特徴を持つことからAV機器,パソコン共に使えるマルチメディアインタフェースとして注目され,さらに家庭内の機器を統合化するネットワークのインタフェースとしてビデオ・オンデマンドの技術仕様を決める業界団体DAVIC(Digital Audio Visual Council)や米国のパソコン映像機器関連の標準化団体VESA(Video Electronics Standard Association)においても採用され,家電メーカを中心に技術開発が進展しつつある。
① 100 M,200 M,400 Mbit/s(将来的には800 M,1.6 G,3.2 Gbit/sも可能となる)の伝送速度を持ち,MPEG-2等の圧縮動画やデジタルカメラ映像等を同時に複数チャネル伝送可能。
② 動画映像や音声等のリアルタイムなデータ伝送に適したIsochronous伝送(同期伝送)と制御コマンドやテキスト等のバースト的なデータ伝送に適したAsynchronous伝送(非同期伝送)の2種類のモードを使い分けることが可能。
③ 装置の電源をONの状態でケーブルの抜き差しが可能。
④ 機器の新たな接続をネットワークが自動認識し,ID番号を自動的に付与することにより,ネットワーク構成が変化してもユーザは関知することなく,そのまま利用可能。
⑤ スター形,ツリー形,デイジー・チェーン等のバス接続形態をとることができ,機器増設が容易。
⑥ 細径で軽量な6心(信号線4心,電源線2心)のより対線が標準で,光ファイバ等を利用した長距離化も検討中。
なお,IEEE1394の今後の標準化計画は,以下のとおり(図)。
(1) P1394.a
IEEE1394-1995規格を補填するためのもので,バス制御の効率化等の一部機能の拡張を検討中。
(2) P1394.b
3.2 Gbit/sまでの伝送速度の高速化と,POF(Plastic Optical Fiber),PCF(Plastic Clad Fiber),GOF(Glass Optical Fiber)等の伝送媒体を使用した伝送距離の延長についての仕様を検討中。
(3) P1394.1
異なるIEEE1394バス間を相互に接続するブリッジの規格化を進めている。