ISO14000シリーズ
企業の環境保全体制の国際的なルール。このISO14000シリーズを取得するためには,環境管理システムの構築や第三者による監査などが必要となる。
オゾン層破壊,地球温暖化等,地球環境問題の深刻化とともに,大量生産・大量消費・大量破壊という,これまでの社会システムを見直そうとしている背景の下,1992年リオデジャネイロで開催された「地球サミット」で採択された「リオ宣言」等を受けて「持続可能な開発のための経済人会議」が環境管理に関する規格の検討をISOへ依頼した。後にISOは環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)に関する専門委員会(TC207)を設置し,6つの分科会(SC:Sub-Committee)に分かれて具体的な検討を行っている(図)。
① SC1:EMSの仕様について検討しており,ISO14001「環境マネジメントシステム-仕様および利用の手引」等を発行している。
② SC2:環境監査というEMSが有効に機能しているかを監査する際の手順や監査者の資格等についての規格を検討している。
③ SC3:環境ラベルという規格を検討している。環境ラベルはリサイクル材料を使用したような製品に付与し,消費者が購買する際,環境に配慮した製品を選択できるように意図したものである。
④ SC4:環境パフォーマンス評価という規格を検討している。環境パフォーマンス評価は,企業等が行っている環境保全活動を定量的(または定性的)に評価する手法。
⑤ SC5:ライフサイクルアセスメント(LCA)という規格を検討している。LCAとは,製品の一生(資源の採取→製造→使用・消費→廃棄)を通じて,環境へ与える影響を定量的に評価する手法のこと。