用語説明

ITU-T(ITU電気通信標準化部門)

International Telecommunication Union - Telecommunication Standardization Sector

ITU(国際電気通信連合)の下部機関で,データ伝送を含む通信関係の国際標準化を行う。開始当時はCCITT(International Telegraph and Telephone Consultative Committee)で1993年3月に改称した。

182カ国の電気通信主管庁,通信事業者,メーカ等が参加している。1993年3月,世界電気通信標準化会議(WTSC:World Telecommunication Standardization Conference)が開催され,新体制で活動が開始された。

ITU-Tのミッションは,電気通信に関する技術,運用および料金について研究し,世界標準としての勧告を作成することにある。組織構成としては,実際の標準作成作業を担当する14のSG(Study Group;研究委員会),ITU-Tの戦略および各SGに対する研究課題のアサインの調整や作業の優先順位等について検討するTSAG(Telecom-munication Standardization Advisory Group;電気通信標準化アドバイザリグループ),並びにこれらを統合するTSB(Telecommunication Standardization Bureau;電気通信標準化局)から構成されている。またITU-T全体の意思決定等は,4年ごとに開催されるWTSCで行われる。M3400ではTMN(Telecommunications Management Network)管理機能として,性能管理,故障管理,構成管理,会計管理,セキュリティ管理をあげている。

◆ 《SG(Study Group;研究委員会)》

電気通信標準化研究委員会。ITU内で実質的に勧告案を検討するグループ。会期ごとに責任範囲やグループ数が決定される(表)。

◆ 《SG16(Study Group 16)》

ITU-Tで,1996年10月のWTSC-96で創設された研究委員会。「マルチメディア・サービスおよびシステム」をテーマとし,従来マルチメディアサービス定義(SG1),マルチメディア文書通信会議(SG8),モデム(SG14),オーディオビジュアル通信システム(SG15)と分散して行っていたマルチメディア関連活動を統合したもの。マルチメディアに関する課題を集めた新SG。

◆ 《TSAG(Telecommunication Standardization Advisory Group;電気通信標準化アドバイザリグループ)》

ITU-Tには15のSGがあり,「サービスの定義」(SG1),「網の運用」(SG2)等,各課題に取り組んでいる。TSAGは,これらSGの上位に位置し,ITU-Tの活動の優先順位見直し,戦略立案などを担当するグループである。ほぼ年2回開催されており,約30カ国から約140名の参加者がある。活動結果は,4年ごとの研究会期末に開催されるWTSCに報告される。TSAGには3つのWP(Working Party;作業部会)があり,勧告化手続きの効率化,TSAGの役割,IPRの取扱い等,課題「作業方法」の検討(WG1),作業プログラムの見直し,SGの構成など課題「作業計画」の検討(WG2),ITU-Tにおける文書,情報伝達の電子化など課題「EDH」の検討(WG3)を行っている。その他「(ITU-Tの外部との)協力と協調」,「優先順位および戦略」等の検討グループも活動している。

表_ITU-TのSG構成と主要研究項目表_2005-2008年会期のITU-TSG構成