PHSマルチメディア通信システム
PHSの32 kbit/sデータ通信サービスを利用し,カラー画像と音声の双方向同時通信を実現する携帯端末で,ハイテクモバイルコミュニケーションの一環として実現する。
ベースマシンにNTT通信機器事業推進部(当時)の「テレアシストIX200A」を使用し,NTTワイヤレスシステム研究所(当時)が開発したPHSメディア多重伝送制御技術(T-CHフレーム多重方式)をサポートしたメディア通信カード,32 kbit/sデータ通信対応のPHS,カメラを組み合わせて使用する。
毎秒1コマ程度のカラー画像の送受信と並行して,音声通信を行うことができ,画像は,JPEG,Motion JPEGをベースとした無線用画像符号化と無線画像伝送技術により,必要に応じて1フレーム/秒程度の簡易動画と精細な静止画通信の両方に対応できる。音声は,8 kbit/sの高圧縮符号化技術(CS-ASELP)をDSPに搭載して使用している。本システムでは,端末同士による1対1の通信のほか,ISDN網に接続されたセンタ装置と複数の端末を接続し,最大1:4で相互に通信も実現している。
◆ 《T-CHフレーム多重方式》
PHS32 kbit/sディジタルベアラ端末で5msec単位に送受信する160 bit長のT-CHフレーム単位に音声等のリアルタイム系メディアを時分割多重する方式。
◆ 《CS-ASELP》
NTTヒューマンインタフェース研究所(当時)等が開発した国際標準(ITU-T G.729)の符号化方式。