1996年４月にPHSを利用したマルチメディア通信の普及促進を目的として活動中のPIAF（PHSインターネットアクセスフォーラム）が取りまとめた協会標準で，PHSの32 kbit/s非制限ディジタルベアラを用いて，高品質にデータを伝送する伝送制御手順。最高速度29.2 kbit/sを実現する。

PIAFSは，(1)ARQ（Automatic Repeat Request）伝送制御手順と(2)インバンドネゴシエーション手順から構成される。

(1)　ARQ伝送制御手順

データ受信側で誤りを検出し，誤りデータの再送要求をデータ受信側からデータ送信側に送信する制御手順。再送の要求方法およびデータ再送方法によって各種の制御手順が存在する。

PIAFSのARQ伝送制御手順は，PHS利用のデータ通信において，誤りによる伝送効率の低下を低く抑えることの可能なMODS-ARQ（Selected Repeat Request ARQ with Moduro Operation using Data Field）を基本としており，最大29.2 kbit/sの実行伝送速度を可能としている。

(2)　インバンドネゴシエーション手順

通話チャネルを用いて通信条件の交渉を行う手順。現在のARQ伝送制御手順の他に画像伝送に適した伝送制御手順や将来の新方式がPIAFSに取り込まれた場合に備え，通信開始時に互いの伝送制御手順等の通信条件を交渉する方法を規定している。

◆ 《PHSインターネットアクセスフォーラム》

1995年10月にPHS利用のマルチメディア通信の普及を目的としてPHS事業者，NTT等通信事業者，端末メーカ等によって設立された団体で，通信規格の統一に向けた活動を行っている。事務局は（社）電波産業会。