用語説明

TwinVQ(周波数領域重み付けインタリーブベクトル量子化)

Transform Domain Weighted Interleave Vector Quantization:

総合ディジタル通信網を使用して高品質の音楽・音声を伝送するためには,INSネット64の容量である64 kbit/s以下に音楽・音声を圧縮する必要がある。TwinVQはこのためにNTTが独自に開発した音声圧縮符号化方式で,これまでの圧縮技術が個々のデータを直接符号化していたのに対し,複数のデータをまとめてパターン化し,あらかじめ用意した標準パターンと比較して最も近いパターンのコードだけを伝送することで原音の1/12以下に情報量を圧縮する手法。臨場感など音楽の表現力の豊かさはそのままに,データ量を音源の1/18以下に圧縮できる。ISDN回線でCD並み,アナログ回線でFM放送並みの音質で通信できる。

1999年に動画および音楽の国際標準規格MPEG-4/Audioに正式採用が決定した。

◆ 《VQfast方式》

TwinVQ方式を基に,効率的なステレオ符号化技術と強力な誤り保護技術を組み込んだ無線用音楽圧縮符号化方式。劣悪な伝送環境でも高品質な音楽を再生できるように工夫されている。

VQfast方式の特徴として,ステレオ符号化技術と誤り保護技術がある(図1)。

 (1) ステレオ符号化技術

2つのチャネル間での適応的な予測を行う適応チャネル間予測ステレオ符号化技術を採用することによりステレオ音楽信号の効率的な圧縮を実現した。

 (2) 誤り保護技術

図2に示すように,符号化ビット列を伝送誤りが生じた場合の影響度に応じて3つのビット群に分け,それぞれのビット列に必要最小限の能力を持つ誤り訂正検出符号化を施す,いわゆる不均一誤り保護法を適用している。

図1_VQfastの構成図2_VQfastの不均一誤り保護方法