BCH符号
Bose Chaudhuri Hocquenghem
ブロック内のt個の誤り訂正が可能な符号で,誤り訂正能力の高い符号として知られている。ブロック長nと情報ビットkおよびブロック当りでの訂正可能なビット数tとの間には整数Iを介して次式が成り立つ。
n=2I-1(I>2),n-k≦It
ディジタルマイクロ波方式では,リアルタイムで符号誤りを訂正する必要があることから,送信側から送られた符号化情報に基づき受信側で誤り訂正を行うFEC(Forward Error Correction)を採用している。
情報ビットに冗長ビットを付加することで伝送路で発生した符号誤りを訂正しているが,符号化の方法によってブロック符号と畳み込み符号に大別される。
ブロック符号は,送信側で一定数の情報ビットを一まとめにしてパリティビットを付加する。畳み込み符号は,ブロックに分けずにルールに従ってビット単位の情報を連続する一定数の情報に逐次変換するもので,受信側で最も符号化時のルールに適合するビットを復号するものである。ブロック符号のBCH符号は,符号化率の割りには比較的大きな符号化利得が得られるうえ,エンコーダ・デコーダの構成が簡易であることにより,多くの分野で用いられている。固定無線においても4・5・6G-200M-E方式以降の装置にBCH符号を用いた誤り訂正符号が採用されている。
NTTでは,BCH符号のエンコーダ・デコーダのLSI化を実現している。239 bitの情報ビットに16 bitの冗長ビットを付加することにより,ブロック内の二重誤りの訂正を可能としている。