用語説明

VICS(道路交通情報通信システム)

Vehicle Information and Communication System

建設省,警察庁,郵政省の3省庁が構築しているディジタルデータ通信システムのこと。道路管理局,公安委員会,および自治体等の各機関が個々に収集・管理している道路交通情報を一元的に収集・処理し,ドライバーのニーズに即した道路交通情報としてリアルタイムに車載装置(カーナビゲーション)に提供するシステム(図)。

道路交通情報を一元的に収集・処理する機関をVICSセンタと呼ぶ。VICSセンタより車両に対して情報提供を行うメディアには,建設省が中心となり高速道路出入口の分岐点等に2~4km間隔で設置する電波ビーコン(発信機),警察庁が中心となり一般主要道路の重要交差点付近に設置する光ビーコン,郵政省が中心となりNHKがFM電波を使って広域に提供するFM多重放送がある。提供される道路交通情報としては,渋滞情報(渋滞状況,旅行時間),駐車場の満空情報,サービスエリア/パーキングエリアの満空情報,障害/緊急情報等がある。本システムは,1996年4月から首都圏と首都高速,東名・名神の全線で,同年12月には大阪エリア,1997年4月からは名古屋エリアおよび全国の高速道路でサービスが提供されており,今後全国の一般主要道路に展開する予定。このシステムの母体は,1986年に建設省が打ち出した車両間通話システム(RACS)である。警察庁もコンパクトディスクに記憶させた道路図に様々な情報を流す新自動車交通システム(AMICS)構想を発表したが,1991年構想を一本化し,様々な団体,機関が一体となってこの実現に動いている。

図_VICSの構成

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