仮想空間に多数の人が同時に参加しコミュニケーションを図ることができるインタースペースと，VOD（ビデオ・オンデマンド）システムで構成している。このシステムを使用することで，実際の展示会に参加するような感覚で会場内を歩き回って説明員や他の参加者と対面・会話したり，映像による知識や情報を得ることができる。インタースペースによって自由な情報検索および他の参加者や説明員との表情や音声によるコミュニケーション，VODシステムによって映像による詳細な情報の獲得を実現し，臨場感に富む仮想フォーラムを実現した（図）。

(1) インタースペース

参加者それぞれがパーソナルコンピュータからネットワークを介して，共通の３次元仮想空間に自分の分身を登場させる。ディスプレイには，自分の分身から見た仮想空間が表示される。マウスの操作によって仮想空間中で自由に移動し，情報にアクセスしたり，他の参加者と対面して多人数で音声と顔画像によるコミュニケーションを行うことができる。

(2) VODシステム

映像を高品質なMPEG-1またはMPEG-2で符号化し蓄積するビデオサーバと，映像データを再生するVOD端末で構成される。小型のビデオサーバはMPEG-1符号化映像で蓄積時間770分の容量を持ち，高速な光LANに接続した11台のVOD端末に対して検索応答１秒以内のレスポンスを保証している。6 Mbit/sの専用線を用いることにより，１回線当り３台のVOD端末を遠隔地に張り出すことが可能。