用語説明

LAN

Local Area Network

局舎内,建物内など限定された範囲(ローカルエリア)で,私設通信回線を用いてワークステーション,パソコンなどを結ぶネットワーク。結び方には,バス型,リング型,スター型がある。

◆ 《階層形LAN》

組織または業務ごとに1つのグループを支線LANとしてまとめ,グループ間の通信には別の伝送路として幹線LANとした構成のLAN。

◆ 《セキュリティLANシステム》

単一のLAN上に存在するサーバとクライアント間の通信で,Ethernetフレーム暗号化して情報の漏洩や改ざんを防止するために使用されるシステム。サーバと端末セグメントの間に配置されて暗号化/復号化を行うセキュリティゲートウェイと,クライアントPC側に装着される暗号化/復号化カードを用いて構成される(図)。

◆ 《ハイセキュリティLANシステム》

LAN通信の標準的なプロトコルTCP/IP認証機能,アクセス制御機能,データ暗号機能等を備えたLANのセキュリティシステム。パスワードや重要なデータの盗聴,改ざんを防ぐことができる。

◆ 《バーチャルLAN》

物理的な接続に制約されず論理的にグルーピングしてLANを構築する形態。LANに接続されるホストやトラヒックの増加,さらには利用組織の拡張や移動等の運用管理面での煩雑さや性能面での制限等を容易に解決する手段として利用される。一般に,管理装置からLANスイッチに構成定義データを設定して実現される。ATM-LANでは,グループ管理とアドレス変換の機能を自動化するためのサーバを用いて高速なデータ転送と柔軟なグルーピングを行う「LANエミュレーション」などが実現されている。

◆ 《LANエミュレーション方式》

ATM上でコンピュータ通信を行う方法の1つ。ATMネットワークに直結された端末あるいは中継装置において,上位機能が既存LAN(イーサネットなど)にアクセスする場合と同一の手順で動作できるようにエミュレート(偽装)する方式。この方式を使用することにより,複数のATM端末を単一セグメント上の既存LAN端末と同様に動作させることができる。この方式により,既存のLANアプリケーションをATM環境でも使用できるようになるとともに,既存LAN上の端末とATM端末の相互通信を中継装置経由で実現することができる。LANエミュレーションではレイヤ2レベルのインターネットワーキングが適用される。セルリレープロトコル構成のAAL(ATMアダプテーションレイヤ:レイヤ2データリンク層に相当)に載せる上位プロトコルが,本方式ではEthernetフレームカプセル化する形態であるので,TCP/IP以外にもEthernet上で使用できる上位レイヤのプロトコル(例えばXNSAppleTalk,DECnet,SNA等)がすべてATM-LANで使用可能であり,ブリッジを用いたLAN間通信も可能で効率的な高速データ伝送が可能となる。仮想LAN間の通信にはルータやブリッジなどの中継装置が必要である。この方式の他に,IETF(Internet Engineering Task Force)で検討されているIP over ATM方式では,先の上位レイヤプロトコルIPプロトコルである。

◆ 《トランスペアレント・ブリッジングLAN》

ブリッジにおいて,到達する通信フレーム中の宛先アドレスと当該ブリッジ内のデータベースを参照して,当該フレームを中継するか阻止するかを判定する方式のLANであり,ソースルーティング方式LANに対比して使われることが多い。

◆ 《パソコンLAN》

情報処理を一元化するためパソコンを連携させ,処理能力・機能性を向上させたネットワークである。高速ページプリンタや大容量のハードディスク等,高価な周辺装置を共有できるため経済的なシステムである。電子メールによる事務連絡などの支援系のみならず,販売管理をはじめとする業務処理分野にもパソコンLANを導入する動きが進展しており,日本国内でも企業のパソコンのLAN収容率は急成長を続けている。

◆ 《IVD-LAN(Integrated Voice and Data LAN;音声・デ-タ統合型LAN)》

IVD用のユーザ端末を統一インタフェースによってPBXやLANと接続し,マルチメディア通信を実現するもの。IVDネットワークとして,ISDN,FDDI-Ⅱ,MAN等が考慮されている。

◆ 《OP-LAN》

交換機とオペレーション間のインタフェースの高速化を図るために導入された光ケーブルのLAN。LXMともインタフェースをとることにより,交換機故障時の予備交換機への切替(n+1方式)もこのLANを通じて制御する。

図_セキュリティLA