CIM(統合生産システム)
Computer Integrated Manufacturing
産業活動がコンピュータ導入により,急激に変化しつつあり,特に製造業の開発・生産・販売の3部門をコンピュータを使った通信網で結び,一括管理するシステムをCIMと総称している。例えば,全国の営業拠点の受注データをパソコンに入れ,本社が一括して集約し,各工場の稼働状況や在庫情報をコンピュータを通じて確認したうえで生産を指示する。各工場はこの指示に従って,ロボットやNC(数値制御)工作機械等を結ぶ生産管理コンピュータを動かし,生産する。製品受渡,入金,在庫管理等もすべて同一系列のシステムでコントロールされる。開発部門の研究成果も生産現場に届く仕組みになっている。この一連の中で,コンピュータによる設計・生産を特にCAD/CAMと呼んでいる。CIMシステムは米国で考えられ,アレン・ブランドレー社等がFA機器生産で実用化し始めたが,その後,日本企業で効果的なシステムづくりが進み,今では日本が先進国となっている。とりわけ,生産現場の自動化・機械化が進んだことで効果が決定的となった。経営の効率化,研究開発成果の共有化,市場密着型生産等に大きな力を発揮,現在では大企業にとどまらず,中堅企業にも,このシステムの導入が広がっている。人手不足の深刻化等で,今後もシステムはますます精緻になり,製造業から全産業部門に拡大するものとみられる。