用語説明

新光アクセスシステム(通称:πシステム)

「光PDS方式」を核に,お客さま間近の電柱際までメタル並みコストで経済的に光化が可能なシステム。新光アクセスシステムの通称で,用いる装置のことをπということから,「πシステム」と呼ばれる。πとは,お客さま側の電柱等に設置されるONU(Optical Network Unit;光回線終端装置)のことで,光信号の送受信機能や多様なサービスを提供するインタフェースと多重変換機能を持つ。この「新光アクセスシステム」と従来からの「CT/RT」方式を併用することで,主として電話サービス用に使用している(図)。1997年度導入開始。

既設メタリックケーブルを経済的に光ファイバケーブルに更改することにより,ネットワークの高速・広帯域化につながるアクセス網の光化展開を加速することが可能となる。電話,INSネット64,低速OCN,低速専用線等のサービスを対象とし,NTTビルとお客さま間近の電柱際や小規模な集合住宅の屋内に設置したONUの間の1本の光ファイバを,複数のお客さまで共用(1システム最大10回線)することにより,より一層の低コスト化を実現する。本システムを用いることにより,将来の高速・広帯域サービスの需要に対して,以下のようなメリットが生じる。

① 今後,エコノミータイプのアクセス系1.5 Mbit/sの高速ディジタル専用線サービスの提供や,要望があればCATV事業者への回線提供等についても検討する。

② 高速・広帯域サービス用の光モジュールや光ファイバ等の低コスト化が促進され,また高速・広帯域サービス専用として使用する光ファイバケーブルや管路を電話サービス等と共用化することで,高速・広帯域サービスの低コスト化が図れる。

③ お客さま間近の電柱際まで,光ファイバが来ていることから,高速・広帯域サービスを希望するお客さまに対しては,電柱からの引込み線工事だけとなり,従来1カ月程度必要であった工事期間が電話並みに期間短縮され,即応化が大幅に向上する。

◆ 《光PDS(Passive Double Star)方式》

所内装置(SLT)とONUの間に光ファイバを分岐する光スプリッタと呼ばれる受動素子を設置し,SLT内の1つのE/O(電気/光変換)素子に複数のONUが収容される形態である。

◆ 《光スプリッタ

光スプリッタとは,1本のファイバから入力された光を多数本のファイバに分岐し,逆に多数のファイバからの光を1本のファイバに集約するための素子のことで,スターカップラとも呼ばれる。光スプリッタでは,このような光の分岐・集約をすべて光学的に行っており,電気的な処理が不要なことから,受動的(パッシブ)な素子といわれる。

◆ 《光需要対応心線比率》

π 装置用の光心線とは別に見込む高速・広帯域サービス用(FTTH用)の光心線の比率を示す。

図_新光アクセスシステムの概要