3層クライアントサーバ情報システム
APの機能を入出力インタフェース処理(表示層),データの加工処理(機能層),データベース処理(データ層)の3つに分割し,各層の独立性を確保して開発する3層モデルを用いたクライアントサーバ情報システム(図)。
クライアント/サーバ型情報システムの普及に伴い,その課題が広く議論され,解決方法が検討されるようになった。その中で,MITのDonovan教授により提唱された3層クライアント/サーバアーキテクチャでは業務アプリケーションプログラムを次の3つの層に独立的に分割する。
(1) プレゼンテーション層
利用者とシステムとの接点で,利用者の要求を組み立て,次の機能層に処理を依頼する層。
(2) 機能層
プレゼンテーション層からの要求により,対応する業務機能を実現する。また,業務機能を実現するために必要な様々な機能も含む。
(3) データ層
機能層からのデータの照会,データの更新要求を実現する層。リレーショナルデータベースやファイルのデータの他に,外部システムもここに位置付けられる。このアーキテクチャによる情報システムは,従来のクライアント/サーバ型情報システムに比べて次のような特徴がある。
・ 業務仕様や業務量の変更に対して柔軟に対処できる。
・ ハードウェアやミドルウェアに対する制約が少ないので,利用者による幅のある選択が可能となる。
・ 現行システムから新規システムへの円滑な移行が可能である。特に既存システムを改造することなく新規システムの一部として利用する場合に有効である。
このアーキテクチャによるシステム設計のためのツールが各ベンダから出始めており,3層クライアント/サーバ型情報システムの普及が進み始めている。