ディジタル1リンク
音声回線の中継交換を行う場合,これまでは音声圧縮符号化復号化が繰り返され,音声品質の劣化と遅延の増大が問題になった。本問題に対処するため,圧縮された音声を中継交換時に復号化することなく,伝送する方法が幾つかある。その例としてレートアダプト方式と簡易交換方式について説明する。
(1) レートアダプト方式
拠点(B)のTDMにおいて圧縮された信号はそのままで,ダミービットを付加してPBXへ送り,中継交換された信号からダミービットを取り除き伝送する方式である。ただし,本方式ではその呼が拠点Bに落ちる呼のときは復号化して渡す必要があり,TDMやPBXに特殊な動作が必要となる。
(2) 簡易交換方式
拠点BのTDMに簡易交換機能を持たせることにより,中継交換になる場合にはPBXに送らず,TDMで圧縮された信号のまま中継する方式である。