データ通信(衛星通信)
幾つかのコンピュータを通信網で有機的につなぎ,コンピュータの保有するデータを相互にやりとりしたり,処理したりする通信システムである。LAN(構内情報通信網),VAN(付加価値通信網)の他,NTTのISDN(総合ディジタル通信網)を利用した広域データ通信等の形で実用化されている。こうした通信網は,いずれも有線を利用した形式で,原則発信者と受信者がやりとりする1対1方式であるが,これだと1つのデータを複数のコンピュータに伝えるには1対1通信をコンピュータの数だけ繰り返さなければならず,時間,コストにロスが多くなる。これに対し,通信衛星を利用すると1つのデータを同時に複数のコンピュータに伝送できる。これは「1対N」方式と呼ばれている。通信衛星を利用する方法としては,独立したデータ・チャネルを使う方法(アウトバンド方式)と,テレビ画像を送信するチャネルを使う方式(インバンド方式)の2通りがある。最近では,インバンド方式のうち,CS(通信衛星)を使って大量のコンピュータ情報を地上に落とし,多数の端末に同時送信するマルチキャスト方式が実用化されつつある。