用語説明

CS-ACELP(8kbit/s)音声符号化方式

Conjugate Structure-Algebraic Code Excited Linear Pediction

NTTとフランステレコムなどが提案していた8 kbit/s音声符号化方式。ITU-T勧告G.729として採択された。入力音声のスペクトル成分(人の喉や口の形に対応)を線形フィルタで構成し,それをあらかじめ用意した標準パターンとして蓄えてあるベクトル(吹きかける息に対応)によって駆動することにより,音声を再生する符号化方法を用いている。8 kbit/sの情報量で高品質な音声を得るため,①いろいろな形に変化する人の口の形を線形フィルタで効率的に表現する方法,②駆動ベクトルのパターンを効率的に表現する方法,③声の大きさに対応する駆動ベクトルの声の大きさに対応する値(ゲイン)をうまく調整する方法,および④符号化音声の劣化が目立たないように人間の聴覚的な特徴を用いた処理を行う方法,などの技術が新たに開発・採用されている。NTTはこれらの新しい技術のうち,人の喉や口の形に対応する線形フィルタを,フレーム間予測を用いて量子化することで従来より効率的に表現する手法,駆動ベクトルを調整する手法,標準パターンのベクトルを2つの要素ベクトルに分界して表現し,符号誤り耐性を向上させる手法などを提案し,CS-ACELPの開発に中心的役割を果たした。