電子図書館
書籍,雑誌等を電子情報としてネットワーク上に蓄積しておき,自由に必要な部分のみ取り出せるようにしたシステム。このようなシステムの構築により,①世界中の文献が居ながらにして読み出し可能,②閲覧が困難な古文書や貴重な資料等を痛めることなく自由に閲覧可能,③文字情報だけでなく静止画,音声,動画等の関連情報も読み出すことができ理解が深まる,等の利点が考えられるため,その検討が進められている。
NTTのVI&P実験においても,電子図書館の実験システムを構築し将来の電子図書館が具備すべき条件を明確化すべく研究が行われている。実験システムでは,①インターネット上のWWWをベースに構築され地球規模での広域化とマルチメディア化が容易,②JPEGボードを装備しているのでカラー文書の高速高能率圧縮・伸張表示処理が可能,③複数ページの文書を高速にページ送りするブラウジングが可能,等の特徴を有している。
電子図書館サービスで実現される機能は,大きく分けて,(1)情報蓄積系サービス,(2)情報検索系サービス,の2つがある。
(1) 情報蓄積系サービス
書籍,論文,業務報告,各種マルチメディアデータ等,ディジタル情報として一元管理することができ,インターネットを利用して組織内外の情報を取得することも可能となる。
(2) 情報検索系サービス
ネットワークを利用し物理的な制約を受けることなく情報を閲覧でき,また高度な検索機能により大量にある情報の中から必要な情報を効果的に取得することができる。
◆ 《電子図書館システム》
学術文献等の書誌情報(文献名,著者名等の情報)と文献内容自体をディジタル化した大量の情報をネットワーク上で管理し,空間的時間的制約を超えて,蓄積・管理できるシステム。高度な検索機能により,大量な情報の中から必要な情報を効果的に取得することができる。
◆ 《小中学校向け図書館パッケージ》
小中学校の授業における「調べ学習」では図書館に収蔵されている本が重要な情報源になるが,自分の学校図書館にある本だけでは不十分な場合が多いため,複数の学校で持っている本の書誌情報(文献名,著者名等の情報)の共有化を目指し,開発したシステム。