光アクセスシステム構成
お客さまとサービス提供ネットワークをつなぐアクセスネットワークを光化するための構成法でシングルスター(SS),アクティブダブルスター(ADS),パッシブダブルスター(PDS)に分類できる(光・有線)。
(1) SS(Single Star;シングルスター)構成
SSは最も基本的な構成法であり,お客さまとファイバが1対1に対応する。ISDNサービス,高速ディジタル専用線サービス等はこの方式を採用している。この方式は,設備センタに設置される回線終端パッケージ(ONU等)と1心または2心の光ファイバをお客さま(DSU等)単位に割り当てる。
(2) ADS(Active Double Star;アクティブダブルスター)構成
ADSはCT/RT方式で採用している方式であり,複数のお客さまの回線を設備センタから離れた場所(遠隔地)に設置したRTにて多重し,RTから設備センタ(サービスノード)までの設備を共有化する。この方式は,RTの設置場所の確保が制約条件として上げられるが,既存の電話サービス等を経済的に光化する方法として導入が進められている。
(3) PDS(Passive Double Star;パッシブダブルスター)構成
PDSは,ADSのアクティブ多重装置(RT)をスターカップラという受動素子(パッシブな素子)で構成する方式。この方式はスターカップラ,加入者線路区間の光損失による伝送距離制限が比較的厳しく,また,現在の技術では,ADS方式に比べ多重化容量が少ないなどの問題がある。反面,お客さまの回線の多重を行う機能がスターカップラというパッシブな素子であり,設置スペースもほとんど必要としないことから,RTに比べて設置上の制約が大幅に緩和される。また,網構成がポイント-マルチポイントであるため,映像等の放送型サービスとの親和性も優れている。
(4) MOST(Microwave over Optical fiber Subcarrier Transmission)
光ファイバに無線信号を伝送する方式。現在PHSはCS(Cell Station)まではメタリックケーブルが用いられているが,トラヒックの増大や電話以外の高速データ伝送サービスも提供するようになるとCSまでの媒体に光ケーブルを適用する必要が出てくると考えられる。例えばPHSのCSまでの部分の無線信号を光ファイバで伝送することによりCSの小型化を図るとともに,機能集中化により保守稼働を軽減する。