光通信では,パルスの伝搬速度が波長によって異なる群速度分散といわれるパルス広がりによって伝送速度や伝送容量に制限があるが,群速度分散の影響を自己位相変調効果によってキャンセルし,安定したパルスを光ファイバ中でつくりだし利用するのが光ソリトン通信である。この安定なパルスが光ソリトンと呼ばれ,幅の狭いパルスを超高速でかつ波形を変えずに伝搬できる。光ソリトンが超高速光通信へ有効な理由は,損失が最小となる波長1.55μm帯において光ソリトンを発生できること,狭いパルスを長距離伝送できること,波形歪がないことなどがあげられる。