用語説明

輻輳と規制

地震や台風等の自然災害発生時やテレビ・ラジオの電話リクエストやチケット予約等に伴い,電話が集中し通話の量が交換機の処理能力や中継回線等の容量を大幅に越えた場合,電話がかかりにくくなることを「輻輳」と呼ぶ。自然災害の要因によるものを「災害型」,電話リクエスト等の要因によるものを「企画型」という。輻輳が発生し,特定の地域への通話で通信回線がすべて塞がるとその他の地域への通話に対しても妨げとなるため,通話が集中した地域への接続量を抑えることを「規制」という。

災害型輻輳の場合には,災害時優先電話に指定されている重要機関からの通話を確保することを目的に,企画型輻輳の場合には,企画に関係しないお客さまに迷惑がかからないことを目的に,TCS(Traffic congestion Control System;トラヒック制御システム)により行われる。

その仕組みは,以下のとおり。

① 交換機は,処理能力や着信電話番号のあふれ呼数(着信先のお客さまが通話中のため接続できなかった呼数)を常に監視しており,異常を検出するとTCSに情報を伝える。

② TCSはこの情報に基づき情報の分析,規制指示を行う。

③ 全国の交換機は指示に基づき接続規制を実行する。

◆ 《企画型輻輳》

輻輳の発生原因には,企画型,災害型の2つの形態に分けることができる。このうち企画型輻輳は,チケットの予約,テレビの電話受付(リクエスト)等の企画で,特定のお客さま(企画主催者)に呼が集中することにより発生する。

◆ 《出接続規制》

特定方路,特定対地,特定加入者への接続を制限することをいう。出接続規制は保守者が人手介入により規制対地識別装置(RCIE)を起動させて行うもの,およびトラヒック制御システム(TCS)からの遠隔制御によりRCIEを起動させて行うものがある。