FPLMTS(将来公衆陸上移動通信システム)
Future Public Land Mobile Telecommunication Systems
各種無線端末(パーソナル端末,移動端末,衛星移動端末,無線呼出端末)を用いて,経済的,地域的,世界的に移動性を提供することを目的とするシステム。アナログ方式の自動車電話(第1世代),ディジタル方式のセルラシステムやPHS(第2世代)に続く,第3世代の移動通信システムと位置付けられ,2000年頃からの提供を目指して標準化活動が進められている。国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)を中心として,全世界で標準化が進められている。ITUにおいては,主としてシステムへの要求条件と無線方式を扱う無線通信セクタ(ITU-R:ITU Radio-communication Sector,旧CCIR)とサービス,ネットワーク構成,信号方式,符号化等を扱う電気通信標準化セクタ(ITU-T:ITU Telecommunication Standardization Sector,旧CCITT)に分かれて互いに協力しながら標準化活動を進めている。FPLMTSの主な目標として,①いつでも,どこでも使用できる国際ローミングが可能な世界標準システムであること,②できるだけ固定網に近い通信品質を確保すること,③多様なサービスを提供するとともに,ターミナルモビリティ(端末の移動性)を保証すること,④より便利な無線端末を提供できるようにするために異なる無線環境の無線インタフェースを最大限共通にすること,などがあげられる。現在は,電波の伝わり方等を考慮し決定された基本的な枠組みや要求条件に基づいた詳細な無線インタフェース仕様の標準化作業が進められている。国際ローミングを可能にするには,世界中で共通の周波数帯を使用する必要があり,1992年の無線通信主官庁会議で2GHz帯(1,885~2,025 MHz,2,,110~2,200 MHzの計230 MHz帯域)を使用することが決定されている。呼称は,1997年1月に成田で行われたICG会合にて“FPLMTS”という呼称をやめ,今後IMT-2000とすることで合意された。すでにFutureではなく(2~3年後),Public(公衆網)に限定されず[Private(構内網)も],さらにLand Mobileのみでなく衛星のMobile系も含まれることが理由である。“2000”の数字は無線区間の2,000 Hz(2 GHz)帯の使用,および2000年頃の実現を目指していることに由来する。