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6月号 2021 Vol. 19 No. 6

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■ 概要
技術革新や市場の変化が一層加速する現代社会において、100年を超える電話事業の歴史を通じて培った地域とのつながりを大切に、地域社会の課題解決に臨むNTT東日本。お客さまの安全、従業員などの健康を第一に考え通信インフラの維持に努める田辺博NTT東日本代表取締役副社長にトップの心構えと社会課題解決に臨む事業展開について伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
近年、ニューラルネットワークを用いた機械翻訳の研究は急激に進歩し、機械翻訳の精度は大幅に向上しました。Webサイトやスマートフォンのアプリによる翻訳が普及してきている中、その精度にはまだまだ課題が残されています。この精度向上をめざして研究者は文脈や状況、文化等をも反映したさらに高度な対訳技術研究に勤しんでいます。今回は、文脈・状況に基づくニューラル機械翻訳を追究する永田昌明NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員に、研究の進捗と研究者としてのあり方について伺いました。

Feature Articles: Challenges of NTT Space Environment and Energy Laboratories toward Ultra-resilient Smart Cities

■ 概要
NTT宇宙環境エネルギー研究所は、地球環境の再生と持続可能かつ包摂的な社会の実現に向けた革新的技術の創出を目的に、2020年7月に誕生した新しい研究所です。NTTの研究所で初めて「宇宙」という名前が付いた研究所ですが、宇宙そのものの研究ではなく、太陽を含めた「宇宙環境」から地球を見つめ直し、ダイナミックな視点から地球環境の未来を変えるさまざまな研究に挑戦する研究所です。
■ 概要
本稿では、環境負荷ゼロの実現に向けて、実用化がみえてきた圧倒的にクリーンかつ無尽蔵なエネルギー源を利用可能なものとする次世代エネルギー活用技術と、環境負荷の1つである二酸化炭素(CO2)を効果的に固定し、事業活動トータルでの排出量をゼロ以下にするためのCO2変換技術について概説します。
■ 概要
近年、再生可能エネルギーの普及が拡大していますが、さらなる導入に向けては、エネルギーの効果的な流通やレジリエンスが求められます。エネルギーネットワーク技術グループでは、再生可能エネルギーを余すことなく活用する仮想エネルギー需給制御と、商用電力からの供給が途絶えても安定した電力を地域に供給する直流グリッドをベースとした次世代エネルギー供給に関する研究開発を進めています。本稿では、これらの技術について紹介します。
■ 概要
本稿では、昨今の気候変動や人権に関する問題等を念頭に、持続可能かつ包摂的な社会の実現をめざし、地球環境と社会・経済システムの関係について分析し未来を予測、さらに企業における長期的リスクマネジメントや新たな収益創出の機会を導出し、企業価値向上に資するESG経営科学技術について紹介します。
■ 概要
地球における環境の変化は、私たちの社会生活に大きな影響を及ぼすことが想定されます。本稿では、さまざまな影響を予測し、プロアクティブに対応し、人類が適応・受容することでレジリエントな社会を実現するための環境適応技術(地球情報分析基盤技術、気象予測・制御、雷制御・充電、電磁バリアなど)について紹介します。

Feature Articles: Healthcare Devices and Infrastructure-maintenance Technology that Support People and Society

■ 概要
本稿では、人の健康やインフラの老朽化に配慮した持続可能な社会の実現に向けて、NTTが取り組む研究開発について概説します。国内外の社会課題の解決に向けた潮流について簡単に触れ、NTT研究所が培ってきたデバイス技術を活用したスマートヘルスケア技術やインフラメンテナンス技術の方向性について述べます。具体的な研究事例として、人やインフラの状態を把握・推定し、予防・保全に役立てることが可能な実用化間近の研究成果や最先端技術を紹介します。
■ 概要
酷暑による熱中症の防止など、作業現場の安全性を高めるため体調管理の重要性が高まっています。NTTデバイスイノベーションセンタでは、これまで培ってきたウェアラブルデバイス技術、データ解析技術に、専門家との協業による温熱生理学・運動生理学の知見を加え、より安心して働ける作業現場の実現に資する体調管理技術を構築しました。本稿では、体調管理における課題と、それらを解決する要素技術の概要、および本体調管理技術を実際の作業現場で検証した結果の概要について紹介します。
■ 概要
近年、採血なしで簡便に血液成分を測定する生体情報センシング技術に注目が集まっています。NTTは、光が持つ特定の成分を選択的に測る特徴と、音(超音波)が持つ生体内をよく伝搬する特徴を組み合わせた光音響計測技術を用いた生体情報センシングの研究開発を行っています。本稿では、光音響計測技術により、生体内部にあるさまざまな情報の収集をめざした非侵襲生体情報センシング技術を紹介します。
■ 概要
通信サービスを支えている鉄塔など通信インフラ設備の長寿命化に欠かせない錆取り作業において、人の手や電動工具では届きにくい、狭い場所の錆取りが課題となっています。私たちはこれまで培ってきたハイパワーレーザデバイスを用いて錆取り作業を効率化する技術を開発しています。本稿では、回折素子と呼ばれるハイパワーレーザデバイスを組み込んだ、小型で軽い錆取り技術の概要を紹介します。
■ 概要
通信サービスを支える重要なインフラ設備の1つであるコンクリート電柱は、安全を確保するため多大な維持管理コストが払われています。コンクリート電柱内鉄筋の劣化現象である水素脆化を正確に予測することができれば、コンクリート電柱をより安全かつ経済的に維持管理することができるようになると期待されます。本稿では、水素脆化加速試験および統計的データ解析を用いたコンクリート電柱内鉄筋の水素脆化予測技術について紹介します。

Feature Articles: Encryption and Security Technologies for Creating a Safe and Secure Society

■ 概要
さまざまな状勢により世の中が大きく変革していく中、NTTが取り組んでいるセキュリティR&Dの将来像を語るには、目の前で起きている問題だけでなく、来る社会のあり方とセキュリティについて考えることが重要です。本稿では、その先の未来を見据えたセキュリティR&Dの取り組みについて紹介します。
■ 概要
Society 5.0の実現には組織や業種・業界を超えたデータの利活用が必須ですが、期待されるほどには行われていません。本稿では、その障壁となっているデータ授受に伴うリスクとその原因について概説します。そして、この問題の解決に向けたNTTのセキュリティR&Dの取り組みとして、「データ処理の管理・制御」というデータ流通の新しいパラダイムと、これを実現するために研究開発中のプラットフォームや要素技術を紹介します。
■ 概要
サイバー攻撃等の新たなサイバーセキュリティの脅威に対応しつつ、そのオペレーションを自律化・自動化する技術の確立によって抜本的に効率化します。オペレータが機械的には対応できない高度な脅威に関する対策により専念できるようにし、総合的なセキュリティ対応力の強化を図ります。
■ 概要
量子情報処理を用いると高速計算以外にもセキュリティに対して原理的な安全性、コピー防止など独特の応用が期待されています。その実用に向けてはノイズに弱い量子情報を保護する誤り耐性処理が必須となり、ネットワーク化のためには量子中継をベースとした量子通信の誤り耐性処理が鍵となります。これらに対するNTTセキュアプラットフォーム研究所の取り組みを紹介します。

Regular Articles

■ 概要
宇宙線起因中性子によって電子機器に生じるソフトエラーが年々増加しており、場合によっては社会インフラに多大な影響を及ぼす可能性があります。これに対処するためには、ある中性子環境におけるソフトエラー発生率を算出するための、中性子エネルギー依存ソフトエラー断面積が重要ですが、これまでは連続的なエネルギーでの測定は不可能でした。そこで、飛行時間法による測定を可能とする超高速エラー検出回路を開発し、米国ロスアラモス国立研究所の陽子加速器を用いて1 MeVから800 MeVまでの広範囲なエネルギーのソフトエラー断面積の測定に成功しました。

Global Standardization Activities

■ 概要
世界中の光通信ネットワークやデータセンタで、世界各国でつくられる膨大な数の光コネクタが使われています。光コネクタはわずか1μmの部品誤差が信号品質に影響を与えるため、精密な部品を必要とする製品であり、その接続互換性を保つためには部品形状、性能、そしてそれらを試験するための測定法を国際標準化することが不可欠です。ここでは、光コネクタの標準化活動の概要と近年の動向について紹介します。

Practical Field Information about Telecommunication Technologies

■ 概要
通信技術の基礎知識をテーマとするシリーズ第64弾となる本稿では、硫化水素による通信設備・装置の劣化状況と対策について紹介します。

External Awards
外部での受賞

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