用語説明

IROS(アイロス)

Interface for Realtime Operating Systems

NTTが開発/公開したOSインタフェース仕様。通信システムなど高いリアルタイム性と高信頼性を要求するシステム開発のための共通のソフトウェアプラットフォームとして使用。ATMノードシステムに適用されたのが最初。

◆ 《S1インタフェース》

IROSではOSインタフェースをS1インタフェースとS2インタフェースの2階層に分割している。S1インタフェースは,ベンダ間のハードウェアの差異すなわちプロセッサアーキテクチャ等の差異を隠蔽する標準インタフェースをいう。

◆ 《基本OS(IROS)》

S1インタフェースを提供するOSを基本OSと呼んでいる。主としてハードウェアを制御する機能を実現しており,各種のプロセッサ/入出力装置を仮想化することにより,異なったハードウェアに対して共通のOSインタフェースを提供し,その上位のソフトウェアである拡張OSおよびアプリケーションプログラムを,プロセッサ種別によらず,流通可能としている。

◆ 《S2インタフェース》

S2インタフェースは,上位にあたるサービス階層に対して,加入者回線等のリソースを論理的に提供するインタフェース。

◆ 《拡張OS(IROS)》

S2インタフェースを提供するOSを拡張OSと呼んでいる。基本OSが提供する仮想的なハードウェア資源の上にさらに論理的な資源を定義して,ユーザがこれらの資源を使いやすくする機能を実現する。具体的には,仮想的な磁気ディスクの上にファイルやデータベースといった論理資源を定義して,情報の格納/読出しの利便性を与えたり,仮想的な通信制御装置の上に論理的な通信路を定義して,同時に複数の相手との通信を可能とするなどの機能を提供している。