ITU-T G.729国際標準
音声を効率的に低遅延で符号化し伝送・蓄積することを可能にする国際標準。インターネット電話,テレビ会議システム,携帯電話や他の無線分野,ATM,DSVD等,音声品質,処理遅延,伝送帯域幅が重要である幅広い分野で革新的な製品への使用が見込まれている。
◆ 《G.729》
1995年に国連機関の1つであるITU-Tの国際標準として採択されたCS-ACELPとも呼ばれる8 kbit/s音声符号化技術。従来の32 kbit/sの伝送帯域を必要としたADPCM方式(G.726)と同様に一般電話網レベルの音声品質を実現できる。音声情報を伝送するのにわずか8 kbit/sの情報量のみしか必要としないうえ,処理のためのフレームは10ミリ/秒であるため,音声伝送の遅延が短くてすむ。電話や携帯電話分野での既存の音声符号化方式よりもはるかに効率的である。
◆ 《G.729 Annex A》
インターネット電話,音声電子メール,ファクスモデムを用いた音声伝送等の目的でG.729を基に開発されたITU-T国際標準。特に,符号化・復号化処理の簡略化を図り,G.729と同じ短フレーム(10ミリ/秒)を実現との特徴を持ちながら,既存のG.729を用いた装置やソフトウェアとの間で相互に直接接続した通話が可能である。