SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)
Simple Network Management Protocol
LANにおけるTCP/IPベースの業界標準ネットワーク管理プロトコル。マルチベンダネットワーク内での管理マネージャから各エージェントに対して,ポーリングによるマルチベンダ共通の管理情報としてMIB(Management Information Base)と呼ばれる単位情報を規定し,各ベンダがインプリメントさえしていれば,マルチベンダであっても共通プロトコルでネットワーク管理を可能とする通信規約。名前のとおり簡易であるために機器の監視を主とした比較的簡単な管理しかできない。
情報を要求するGetRequest, GetNextRequestとその応答であるGetResponse,情報を書き込むSetRequestと管理される装置から管理する装置に自律的送信するTrapの少数のコマンドからなり,その動作も単純であるためにこの名前がある。単純な機能であるために,モデム等の安価な装置にも組込可能なため,インターネットの世界では管理用通信プロトコルのデファクトスタンダードとなっている。RFC1157というドキュメントに仕様が記載されている。TCP/IPを使用するホスト・コンピュータやゲートウェイの管理を行うことにより,SNMPをサポートした製品においてマルチベンダ環境における統合的なネットワーク管理が実現できる。
◆ 《MIB(Management Information Base)》
簡易ネットワーク管理プロトコルSNMPによりマネージャ(管理システム)とエージェント(被管理システム)間でやり取りされる管理データの集合体。SNMPでやりとりされる情報の意味と型を定義したもの。その値を示す場合もある。オブジェクトIDと呼ぶ番号で識別する。システムの固有情報やネットワーク上の統計情報等からなる標準MIBと,LAN機器ベンダが独自の管理機能を実現するために定義した拡張MIBがある。
LAN等におけるネットワーク管理の業界標準であるSNMPは,様々な装置を統一的に管理するために,共通のデータ形式で管理情報を定義しており,その管理項目をMIBという。システムの名前やインタフェースの状態等の,一般的に用いられる管理情報についてはMIB-2と呼ばれ,RFC1213というドキュメントに仕様が記載されている。装置製造者が独自に定義したものはエンタプライズMIBと呼ばれる。
◆ 《SMIP(Simple Network Management Protocol)》
LANの機器を中心に標準的に利用されている管理プロトコル。SNMPでは,機器の名前や状態等を管理装置が読み出すためのGetコマンド,機器の動作に必要なデータ等を設定するためのSetコマンドのほか,機器の方から発生した故障等を管理装置に伝えるための通知(Trapと呼ばれる)等が規定されている。
◆ 《LAN・WAN統合管理》
LAN,WANを統合して管理しようとする概念。SNMPを中心としたLANの管理環境に対し,公衆網等のWAN系ネットワークではCMIPにより管理機能が構築され始めている。ユーザからの優先度を考慮し,LAN,WANが連携して管理の一体化,統合化が行えるようにNMフォーラムで検討が進められている。