TTC((社)電信電話技術委員会)
The Telecommunication Technology Committee
市場原理が導入された電気通信分野の一層の活性化に資するため日本国内における電気通信に関する標準(網間インタフェース,ユーザ・網インタフェース,PBX/LAN関係インタフェース,高位レイヤプロトコル,符号化方式等)を作成し,その普及を図ることを目的とした民間組織。1985年10月25日に設立された。
TTCは専門委員会,部門委員会,標準化会議の3階層からなる構成をとっている(図)。
① 専門委員会:主として技術的専門知識を駆使して標準草案の作成審議を行う。
② 部門委員会:標準化項目の決定,標準化計画の作成,標準草案の審議を行う。
③ 標準化会議:標準案について全会員の意志を問う場。
本組織は,TTC会員の企業等から自主的に参画する委員により構成されており,その数は延べ1,700人に上る。
また,TTCの会員は正会員と賛助会員からなる。正会員はTTCの目的に賛同して入会した会員,賛助会員はTTCの主旨に賛同し,主として作成された標準および調査研究結果を入手するために入会した会員。
また,TTC標準は,国際標準との関連を明確にする観点から次の4種類に体系化される。
・ JT-××××:ITU-T勧告に準拠
・ JS-××××:ISO標準に準拠
・ JF-××××:上記以外の国際的フォーラム等の標準に準拠
・ JJ-××××:TTC独自標準
◆ 《UCG(User Channel Group;ユーザ・チャネル・グループ)》
TTCの常設の委員会組織による手続きの他,TTCでは標準化活動に対しより柔軟にユーザの声を反映する仕組みとして設置されている。UCGでは参加者はTTCの会員,非会員の枠にとらわれることなく,TTC標準を使う立場から様々な提言を行うことができる。UCGの活動は原則としてネットワーク上で行われ,参加者は電子メールやFTPサーバ,ホームページ等を使用することができる。
◆ 《工業所有権等取扱基本指針等検討委員会》
TTCの諮問委員会の1つ。TTC標準で規定する内容に特許や実用新案等の工業所有権がかかわる場合の取扱いや手続きについて検討している。特許権の主張が強いマルチメディア系の標準化が増える中,国際的にも工業所有権に対する取扱いの重要性が高まっている。
◆ 《アジア・太平洋地域電気通信標準化調査研究委員会》
TTC諮問委員会の1つ。アジア・太平洋地域における標準化活動への貢献を目的として,1992年から同地域の標準化活動の在り方について現地調査を中心とした調査研究を進めており,各国の標準化情報ネットワークの構築や活用方法について詳細な報告を行っている。
◆ 《「相互接続技術仕様」課題検討委員会》
TTCの諮問委員会の1つ。ネットワークや端末の相互接続の円滑化に向け実装可能な技術仕様を検討しており,国内外の相互接続の実態や課題について調査分析を進めている。
◆ 《TPCI(TTC PBX-Computer Application Interface)》
TTCで標準化が進められているPBX-コンピュータ間インタフェースで,北米地域標準であるSCAI(Switch-Computer Application Interface)をベースとしている。