フォトニック・ネットワーク(ネットワーク基盤技術)
従来,光技術はポイント・ツー・ポイントの伝送技術に応用され,飛躍的な伝送容量の増大と伝送コストの低減が達成されてきた。また,1997年度末からは,アクセス系にも順次光ファイバが導入される。マルチメディア時代の成熟期になり,ネットワークノードの信号処理速度がギガビットクラスになると,ネットワークノードの大幅なコストダウンは,従来の電子回路による信号処理技術では困難となり,何らかの技術革新が必要となる。電話に代わってメガメディアがトラヒックの主流になると,極めて超高速・大容量の通信を実現するためのネットワーク基盤技術が必要になる。この次世代のネットワーク基盤技術を「フォトニック・ネットワーク」と呼び,光波通信によりテラ(1012)ビット,ペタ(1015)ビットレベルの全光化ネットワーク技術で,光を波長として利用した情報伝達となり,信号振幅やスイッチングなどすべての処理を光レベルで実行する。
フォトニック・ネットワークのノードでは,波長多重された複数の入力光信号の波長に応じて,その出先を自在に切り替える機能(XC;クロスコネクト)を持っている。ネットワーク中を伝達される光信号は,XC機能により,需要や障害に応じて,柔軟に,その経路(光パス)選択を行うことができる。XC機能は,基本的に,受動光回路だけで構成でき,切り替えるべき光信号同士の同期も不要であるため,高いスループットを有するクロスコネクトシステムが容易にしかも小型に実現できる。