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8月号 2018 Vol. 16 No. 8

English

Front-line Researchers

■ 概要
デジタルコンピュータの進展に陰りが見え、世界的に新しいタイプのコンピュータの研究開発が活発になっている中、NTTは世界に先駆けて、レーザ発振器の示す相転移現象により高速な計算を可能とするコヒーレントイジングマシンを実現しました。原子物理学とその応用に関して優れた業績を挙げた研究者に贈られる、仁科記念賞を2017年に受賞したNTT物性科学基礎研究所 武居弘樹上席特別研究員に、現代社会が直面するさまざまな問題を解く糸口となる先駆的な研究成果と研究者としての姿勢について伺いました。

Feature Articles: NTT’s Artificial Intelligence Evolves to Create Novel Services

■ 概要
ここ数年のAI(人工知能)技術は、コンタクトセンタの業務支援やスマートスピーカなどとして、着実に私たちの業務や社会生活をサポートし始めています。本稿では、家庭の中での音声コミュニケーションシステムの利用や医療におけるAIの活用など、現実社会の中でAIを効果的に活用するための技術、現実社会の中でより多くデータを集めてAIの精度を向上させるための高速化技術を例に、現実社会の中でお客さまが求めるサービスを実現していくための、NTTのAI技術の取り組みを紹介します。
■ 概要
NTTメディアインテリジェンス研究所ではクリーンデータを基にしたさまざまな疑似データの生成や、実際の環境で音声を再生し、それを再収録する再生収録等の手法で1万5000時間以上のデータを集め、それに適した学習パラメータの検討や音声区間検出の強化も合わせることによって、近接・遠隔両条件で43%以上の誤り削減率を達成しました。本稿では、遠隔音声を頑健に認識するためのさまざまな取り組みについて紹介します。
■ 概要
近年、インフラ設備の老朽化や専門知識を持った点検人員の不足等に伴ってAI(人工知能)やロボット技術を用いた点検の効率化がさかんに取り組まれており、NTTでもNTTグループで保有するインフラ設備を主な対象としてさまざまな技術開発が行われています。本稿では特にマンホールの蓋の点検に着目し、車載カメラを用いてマンホール鉄蓋を安全かつ効率的に点検するための技術を紹介します。
■ 概要
NTTでは、AI(人工知能)で医療・健康等データを分析し、健康維持に資する効果的かつ効率的な介入を支援する、医療健康支援技術に取り組んでいます。本稿では、医療・健康等データの「データがまばら」という課題を解決する、欠損の影響を抑制した特徴抽出手法について説明します。また、東京大学医学部附属病院(東大病院)と共同で糖尿病治療の課題の1つである患者の血糖コントロール不良予測へこの手法を適用した事例を紹介します。
■ 概要
NTTは、「便利」だけではなく「心地良い」社会の創造に向けて、本人も十分に意識できていない身体状態や心的状態を適切に理解する、Heart-Touching-AIの研究開発に取り組んでいます。本稿では、hitoe®ウェアなどのウェア型心電計測デバイスを活用して人間の身体状態や心的状態を推定する「生体信号解析技術」を題材に、従来技術の課題と、高精度化に向けたNTTの取り組みについて紹介します。
■ 概要
NTTではAI(人工知能)活用を重要な戦略の1つとして位置付けています。NTTソフトウェアイノベーションセンタではAIの中でも中心的な役割を担う深層学習のアルゴリズムの研究開発に取り組んできました。本稿ではその中でも学習の高速化と安定化を実現するアルゴリズムの概要、および検証活動について紹介します。
■ 概要
深層学習技術を取り込んだニューラル機械翻訳の登場により、機械翻訳はこの1〜2年で急速に精度が向上し、実際に活用される場面が増えつつあります。NTTメディアインテリジェンス研究所では、ニューラル機械翻訳を活用した新サービスの創造・強化をめざした研究開発に取り組んでいます。本稿では、ニューラル機械翻訳の概要と、サービス化における技術的なポイントについて紹介します。
■ 概要
NTT研究所では観測される不完全なデータから、場の時空間モデルを学習することで、オリンピックのように事前の学習が困難な大規模人流の誘導の実現をめざしています。本稿では、人流誘導に必要な、混雑リスクを事前に予測するための「時空間変数オンライン予測技術」と、技術の活用に向けた研究開発の取り組みについて紹介します。

Regular Articles

■ 概要
弾性係数の異なる材料を貼り合せた多層薄膜は、自発的に折り畳まれて三次元形状を形成することが知られています。本研究では、高分子材料でできた多層薄膜が自己組織的に組み立てられることを用いて、内部に細胞を封入すること示します。本研究で用いた薄膜は異なる機械的剛性を有する2種類の高分子材料から構成されており、歪みの計算によってその直径を制御可能な三次元状の管状構造を作製することが可能となります。犠牲層を一括して除去することにより、複数の細胞が巻き上げられた薄膜内に一度に包含されます。これによって、固有の本来生体組織がもつ形態および機能を有する繊維状の組織用構造体を人工的に再構成することが可能となります。本手法は、機能性を有する生体組織や、生体内への埋め込みが可能な組織移植片などの再構成に必要な立体的な生体とのインタフェースへの応用が可能となります。
■ 概要
NTTネットワーク基盤技術研究所では、モバイルネットワークの5Gへの移行やクラウドサービスの普及に対応するために、伝送レイヤとIPレイヤを統合的に制御し、オンデマンド性とネットワーク運用の自動化を実現するためのマルチレイヤSDN(Software Defined Networking)制御技術に取り組んでいます。ここでは、マルチレイヤSDN制御技術の概要と技術検証内容について紹介します。

Global Standardization Activities

■ 概要
数年前からSDN(Software Defined Networking)の登場とともにネットワーク仮想化に関する技術も進展してきました。仮想ネットワークを自律分散のIPネットワーク上で構成する技術の標準化は着実に進んでいます。また、オーバレイネットワークを構成するために必要な仮想ネットワークそのもの、およびネットワーク装置を統一的に設定するための標準プロトコル・データモデルについても標準化やコミュニティでの規定が進んでいます。ここではIETF(Internet Engineering Task Force)での標準化状況を中心にオープンコミュニティの議論動向も含めて紹介します。

Practical Field Information about Telecommunication Technologies

■ 概要
本稿ではビジネスフォンに接続した多機能電話機のトラブル事例の原因究明と対策方法について紹介します。通信技術の基礎知識をテーマとするシリーズ第47弾となる今回は、NTT東日本 ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 技術協力センタ EMC技術担当の方にご協力いただきました。

External Awards/Papers Published in Technical Journals and Conference Proceedings
外部での受賞もしくは投稿した論文の抄録

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