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10月号 2021 Vol. 19 No. 10

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■ 概要
NTTサービスイノベーション総合研究所は、すべての“ひと”が幸福であり、安心・安全・健康に自分らしく暮らせる社会の実現に向け、サイバー・フィジカルを融合させたシステムにより、地球・社会・個人の間で調和的な関係が築かれる世界の実現を3つの研究所によりめざしています。社会課題の解決や新たな価値創造に、既成概念を捨てつつチャレンジする大野友義所長に新たなミッションやトップに求められる資質について伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
新しい量子テクノロジの創出をめざすNTT物性科学基礎研究所。2020年11月米国科学誌Physical Review Xに、量子計算の高速化、量子コンピュータの小型化を可能にする量子コンピュータ回路圧縮方法の提案、2021年2月には英国科学誌Nature Communicationsに世界初の現実的な光学装置を用いた高い安全性を達成する高速な量子乱数生成器の実証がオンラインで掲載されました。広大な量子ICT分野にわたる、世界的に意義深い取り組みで量子ICTの分野をリードするWilliam J. Munro上席特別研究員に研究活動の進捗と研究者としての姿勢を伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
現在の情報通信ネットワークの課題として、「柔軟性の欠如」があげられます。例えば拠点間で新たに光ファイバ回線を設定しようとする場合、かなりの手間が掛かるでしょう。今回は、自由に切り替え可能な柔軟なネットワークの構成をめざして「大規模計算基盤のための光パス設計技術」の研究に取り組む井上武特別研究員にお話を伺いました。

NTT Technology Report for Smart World

■ 概要
NTT研究企画部門では、2019年に始動したIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とともに、より人々が豊かに生きていく世界を実現するためのテクノロジーについてまとめた「NTT Technology Report for Smart World」を発表しています。このたび、新たに2021年度版を公開しましたので、その概要と更新のポイントについてご紹介します。

Feature Articles: Network-service Technologies Enabled by the All-Photonics Network for IOWN

■ 概要
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の実現のためには、従来のインターネットとは比較にならない大量のデータを効率良く処理できる高度なネットワークが求められます。NTTでは、この要求にこたえるために、光電融合技術を最大限活用した画期的なオールフォトニクス・ネットワーク(APN: All Photonics Network)の研究開発を行っています。本稿では、このAPNでさまざまなサービスを実現するための機能別専用ネットワーク(FDN: Function Dedicated Network)技術とその上で実現するネットワークサービス技術について説明します。
■ 概要
本稿では、次世代の高臨場コミュニケーションサービスの実現をめざす、オールフォトニクス・ネットワーク(APN: All Photonics Network)の多様なユーザインタフェースや通信帯域、低遅延やローカルの高精度時刻把握等の技術要素を常時監視・連携制御することで、用途ごとや要件ごとのユーザ専用光通信網をオンデマンドで提供する多地点接続技術を紹介します。
■ 概要
無線通信が収容するサービスは、超大容量、超低遅延や、超多数接続といった基本的な性能向上だけでなく、これらを高度に組み合わせた要求条件が求められるようになると考えられます。先鋭化した個々のサービス要件に適した無線アクセスを、必要な場所に柔軟に届けるサービスをエクストリームNaaS(Network as a Service)と名付け、必要な技術開発を推進しています。その要素技術として、さまざまな無線の状態を把握し、無線アクセスをプロアクティブに制御するCradio®技術群の研究開発を進めています。本稿では、エクストリームNaaSが描く世界像と、マルチ無線プロアクティブ制御技術Cradio®を紹介します。
■ 概要
エクストリームNaaS(Network as a Service)に向けた無線技術の1つとして、NTTアクセスサービスシステム研究所ではアナログRoF(Radio over Fiber)を活用して無線基地局の機能を分離、削減した簡易な張出局を用いて高周波数帯無線エリアを効率的に展開するシステム構成を提案しています。本稿では、高周波数帯無線システムで通信に必要な受信感度向上のために必須となるビームフォーミングを、簡易化した張出局で実現する遠隔ビームフォーミング技術について紹介します。
■ 概要
さまざまな社会問題を解決するため、社会インフラとしてのネットワーク技術とコンピューティング技術の融合に取り組んでいます。本稿では、自動走行農機の遠隔監視制御、高度コネクテッドカー、スマートシティ等の分野で情報処理、ネットワーク、デバイスの3つのドメイン間で協調制御を用いることで、エンド・ツー・エンド(E2E)でサービス要件を満足しミッションクリティカルなサービスの提供を可能とすることをめざし、研究開発を進めている協調型インフラ基盤について紹介します。

Regular Articles

■ 概要
近年、ネットワークサービスを管理・制御するための仮想ネットワークトラフィック監視システムの需要が高まっています。このようなシステムでは、カプセル化されたパケットの解析や、パケットヘッダの多数のフィールドを用いたネットワークトラフィックの分類など、高負荷な処理に対応できることが求められています。私たちは,仮想マシンのネットワークトラフィックをリアルタイムに可視化するために、FPGA(Field-Programmable Gate Array)アクセラレータを用いた仮想ネットワークトラフィック監視システムを提案します。本論文では、多数の検索条件を用いて仮想ネットワークトラフィックを高速に分類可能にする、ハッシュベースの省リソースなネットワークトラフィック分類回路を提案します。提案回路は2段階のハッシュ検索を用いることでメモリ資源を削減しています。提案回路を搭載した仮想ネットワークトラフィック監視システムは、各仮想マシンのトラフィックのパケット数、バイト数、マイクロバースト発生回数、ジッタやレイテンシのヒストグラムなど、複数の統計情報をリアルタイムに可視化します。提案ネットワークトラフィック分類回路の性能を評価するために、入力パケットあたりの検索回数を評価しました。17個のヘッダフィールドを使ってVXLAN(Virtual Extensible Local Area Network)パケットを10,000個のカテゴリに分類した結果、提案回路が実行する平均検索回数は、検索木ベースのネットワークトラフィック分類回路の約4分の1となりました。さらに、提案回路のメモリとロジックのリソース使用率は平均でそれぞれ約40%と80%であり、同じルール数を持つFPGAベースのTCAM(Ternary Content Addressable Memories)のリソース使用率よりも低い値でした。最後に、提案回路を用いた仮想ネットワークトラフィック監視システムが、各仮想マシンのVXLANトラフィックをリアルタイムで可視化する実例を示します。

Global Standardization Activities

■ 概要
データセンタ網、テレコム網の通信帯域の需要増加にこたえ、高速イーサネット光インタフェースの標準化がIEEE802.3 WG(Working Group)で進んでいます。ここでは、IEEE802.3で進む標準化のうち、高速Point to Point(P2P)インタフェースである400Gイーサネット、および新しく始まったBeyond 400Gイーサネットの標準化動向について紹介します。

Practical Field Information about Telecommunication Technologies

■ 概要
通信技術の基礎知識をテーマとするシリーズ第66弾となる本稿では、寒冷地における引上げ管の区間での光ケーブルやPE製パイプの損傷発生メカニズムを解明するために、大型の恒温槽内に引上げ管を模擬した設備を作成し検証した結果を紹介します。

External Awards
外部での受賞

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