LANの相互接続機器
LANを相互に接続する際に用いられる機器。リピータ,ブリッジ,ルータ,ブルータ,ゲートウェイ等があり,目的に応じて選択する必要がある。
◆ 《リピータ》
物理層の信号の中継を行う装置。伝送途中で減衰した信号レベルの回復と,タイミング歪みの回復が主な役割である。リピータは信号をビットレベルで扱い,データの単位であるフレームは意識しないで信号の有無と衝突の発生についてのみ処理する。基本的な使用目的は,ケーブルの敷設単位であるセグメント間の接続である。単に物理的な距離を延長するためや,ケーブル配線上の自由度を高めるためにも使用する。中継段数に制限がある。接続機器の中では最も安価である。
◆ 《ブリッジ》
データリンク層フレームを単位とする中継装置。正確にはデータリンク層下位副層であるMAC層で中継を実行するため,MACブリッジまたはデータリンクブリッジと呼ぶ。基本的な使用目的は,トラヒックを考慮したネットワークの分割,あるいは地理的に離れたネットワークの接続である。構内等でLANセグメントを直接接続するローカルブリッジと広域網経由で遠隔地のセグメントを接続するリモートブリッジがある。ブリッジは電気的再生を行うと同時に,データリンク層が管理するパケットの“ソースアドレス(送信元アドレス)”と“ディスティネーションアドレス(送信先アドレス)”をみて,そのパケットを通過すべきか否かを判定するフィルタリングを行う。大きなネットワークでは,ネットワーク全体でのトラヒックを下げることが重要な問題であり,ブリッジは有効な手段となる。
◆ 《ソースルーティング》
ブリッジ接続されたLANシステムにおいて,送信端末側で送信する通信フレームに通信経路を指定する情報を挿入し,LAN内のブリッジが,当該通信経路の指定情報のみを手掛かりに中継動作または阻止動作を実行する手法。
◆ 《ブルータ》
ブリッジとルータの機能を兼ね備えた装置。ネットワーク内に複数プロトコルが存在する場合,あるプロトコルにはブリッジとして機能し,別のプロトコルにはルータとして機能するもの。また,ブリッジと同様にリモート/ローカルの2種類がある。