用語説明

セマンティックWeb

WWWの創始者Tim Berners-Leeが次世代のWebとして1998年に提唱したもの(図1)。情報資源に関する情報(メタデータ)をWebに持たせることでコンピュータによる情報資源に関して明示的に表現された知識の相互運用を可能にし,さまざまなアプリケーションで扱われるデータを自動的に処理しやすくすることを目的とした技術。

セマンティックWebの基盤としてW3Cにおいて汎用的なメタデータ記述のデータモデルであるRDF(Resource Description Framework)の標準化が進められた。

セマンティックWebの実現により,検索結果の精度が高まったり,Web上にあふれる情報を利用者が簡単に再利用できるようになったりすることが期待される。

セマンティックWebのゴールは,Webを意味の明示化されたデータによる巨大なデータベースとし,互いの機能について何の情報も持たない異なるさまざまな機械からも,それらのデータを容易に再利用できる環境を構築することにあるといえる。

◆《実世界セマンティックWeb

ユビキタス環境において,人と人とのコミュニケーションを活性化する技術。

実世界セマンティックWebの実現には,以下の2つの技術が必要(図2)。

① メタデータの付いた情報(Web情報およびセンサ情報)を意味に基づいて処理するセマンティックWeb問合せ処理技術。

② センサ情報に意味情報を付与するユビキタスコンテンツ高次処理技術。

◆《RDF(Resource Description Framework)》

インターネット上の文書等の情報資源の存在場所を示す記述方式(URI : Uniform Resource Identifiers)で識別可能な情報リソースに対してその意味を記述するための文法を規定したもの。

WWWコンソーシアム(W3C)において,XMLを表現形式に用いたメタデータ記述言語として仕様の標準化が進められた。

図1_セマンティックWebの階層構成図2_実世界セマンティックWebの概念