用語説明

AAL(ATMアダプテーションレイヤ)

ATM Adaptation Layer

ATMでは,音声,データ,映像等の特性の違いを意識せずに転送できるが,各信号をセルに分割する際には,各サービスによって許容される遅延時間や誤り率が異なるため,これを考慮する必要がある。この品質条件の相違を吸収するためにAALが設けられている。

AALのサービスクラスには,パラメータの違いによる4種類があり,これに対して5タイプのAALがある。

① クラスA:従来の音声や高速ディジタル専用線のようなコネクション型の固定速度サービスがAALタイプ1により実現される。

② クラスB:コネクション型で可変符号化された映像や音声パケットを提供するのに適しており,AALタイプ2により実現される。

③ クラスC:パケット通信フレームリレー等のコネクション型データ通信サービスでAALタイプ3,5によって実現される。

④ クラスD:LANに代表されるコネクションレス型データ通信でAALタイプ4,5により実現される。

このようにAALは,ATMレイヤと上位レイヤとの間の対応関係をとるとともに,各サービスに要求されるサービス品質を実現するレイヤである。AALはセル単位の機能を提供するセル分割・組立サブレイヤ(SAR:Segmentation and Reassembly Sublayer)と,ユーザデータユニット単位の機能であるコンバージェンスサブレイヤ(CS:Convergence Sublayer)から構成される。

◆ 《CPCS(Common Part Convergence Sublayer)》

ATMアダプテーションレイヤのサブレイヤであり,上位のユーザ情報をATMセルに分解する前,あるいはATMセルからユーザ情報を組み立てた後に必要なフレーム単位での誤り検出機能等を提供する。

◆ 《SSCS(Services Specific Convergence Sublayer)》

B-ISDN信号方式において,ATMアダプテーションレイヤを構成するサブレイヤの1つでCPCSサブレイヤの上位に位置し,上位に対して提供する個々のサービスに対応したインタフェースを提供する。