LAN機器を相互に接続するための集積装置。HUBは英語で中心，中枢の意。

◆ 《インテリジェントHUB》

接続機能だけでなくSNMP（Simple Network Management Protocol）ネットワーク管理機能を持ったHUBのこと。HUBにSNMPエージェント（被管理）機能のソフトを装備し，各種管理情報（トラヒック等）を収集しておき，SNMPマネージャと呼ばれる管理装置で，HUBを管理したり，ポート単位でシステムからの切り放しを行うといった制御ができる。

◆ 《スマートHUB》

インテリジェントHUBの機能を拡充して，１つのシャーシ内に多数の機能を実現したHUBのこと。スマートHUBには，インテリジェントHUBの他に，①複数のバススロットに各種モジュールを挿入することができるコンセントレーション機能，②各種Ethernet，トークンリング，FDDI，ATM等の各種伝送媒体を接続収容する機能，③ブリッジ，ルータ機能および広域網接続機能，④不正ユーザのアクセスを防止するセキュリティ等の機能がある。

◆ 《スイッチングHUB》

データリンク層のMAC（Media Access Control）アドレス（送信元アドレスと送信先アドレス）によるスイッチング機能（交換機能）を有しているHUB。スイッチングであるため，複数の入力に対し転送先がそれぞれ異なれば同時に処理できる。これにより異なるセグメント間の通信においても衝突を回避でき，ブリッジに比べてスループットの向上を図ることができる。イーサネットのように10 Mbit/sという帯域を複数の端末で利用する場合，伝送する情報が多くなってくると，イーサネット特有のパケット衝突（collision）が頻発するようになり，実効転送速度が大幅に悪くなる。そこで，複数の10 Mbit/sのセグメントを小さなワークグループもしくは１台の端末に割り当て，衝突を回避して，実効スループットを稼ごうというものである。最近では100 Mbit/s，1 Gbit/sのスイッチングHUBも提供され，ワークグループのみならずバックボーンでも利用が進んでいる。