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4月号 2023 Vol. 21 No. 4

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■ 概要
新しい技術の研究開発に取り組むとともに、NTTグループ各社をはじめ産業界のさまざまな分野のパートナーとともに、社会的課題の解決をめざすNTT R&D。人々が意識せずに技術の恩恵を享受できる「スマートな世界」の実現に向け邁進する岡敦子研究企画部門長 に研究開発の考え方とトップとしての姿勢を伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
コロナ禍をきっかけとして、リモートワークが定着してきましたが、そこではPCやスマートフォンを利用して画像や音声によるコミュニケーションが重要な役割を果たしています。約40年にわたり音声・音響信号符号化の研究に携わり、広い意味での通信や生活の質の革新的向上をめざすNTTコミュニケーション科学基礎研究所 守谷健弘フェローに、音声・音響信号符号化領域の技術進展の変遷と研究者としての姿勢を伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
光ファイバを基盤とした大容量光通信インフラは、これまで40年以上にわたりさまざまな技術革新によって、伝送可能な通信容量を増やしてきました。しかし既存の光ファイバでは、やがて伝送容量の物理限界が訪れることが見え始めています。今回は「空間多重光ファイバ」と呼ばれる新しい構造の光ファイバを利用して、従来のテラビット級容量からペタビット級容量へ飛躍的なスケーリングをもたらす次世代の「ペタビット級高密度空間多重光伝送技術」について、芝原光樹特別研究員にお話を聞きました。

Feature Articles: Efforts to Implement Digital Twin Computing for Creation of New Value

■ 概要
NTTでは IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)における大きな柱の1つとして、実世界とデジタル世界の掛け合わせによる未来予測や最適化の実現をめざす「デジタルツインコンピューティング(DTC)構想」があり、壮大な研究開発目標であるグランドチャレンジを設定し、研究開発を進めています。本稿では、DTC構想実現に向けた営みとして、デジタルツインの共通利用に向けた取り組みと、直近におけるグランドチャレンジ達成に向けた活動を紹介します。
■ 概要
異なる感性を持った人々が互いに理解・尊重し合える世界の実現をめざした脳科学応用技術の取り組みについて、本稿では、脳波データから違和感・納得感をデコードする技術や、感性情報が含まれる脳の状態を脳内表象として可知覚化する技術、互いの理解度を高めるための脳波カップリング技術、心の中のイメージを再現する心的イメージ再構成技術を紹介します。
■ 概要
実在の人の外見・内面を再現し自律的に活動する人デジタルツインの実現をめざす「Another Me」の社会実装の第一弾として、松竹株式会社が主催する「超歌舞伎 2022 Powered by NTT」の主演である中村獅童氏のデジタルツイン「獅童ツイン」を構築し、同公演で上演しました。本稿では、取り組みの概要と、主要技術である身体モーション生成技術および任意話者音声合成技術について解説します。
■ 概要
渋滞が発生しないような最適化された交通流を実現するため、デジタルツインの活用を検討しています。デジタルツイン上における現実世界の交通流の再現や将来の交通流の予測には、細かい時間粒度/空間粒度の交通需要データが必要となります。近年活発化しているスマートシティ化により、5分という短い時間間隔で断面交通量データを取得できるようになりましたが、計測地点数が少なく空間粒度が粗いことが課題となっています。本稿では、断片的な断面交通量データを補完推定し、リアルな交通需要データを生成する技術を紹介します。
■ 概要
包摂的サステナビリティの実現に向けては、環境と経済、社会の間の相互作用を理解したうえで政策立案、評価をしていく必要があります。NTT人間情報研究所はこれに対し、計算機上に環境、経済、社会を再現し、それを用いて政策評価を行っていくというアプローチを取っています。本稿ではその実現に向けて、複数のシミュレーションモデルを協調させるための連成技術の概要と政策評価のプロトタイピング、および将来の展望について紹介します。

Special Report

■ 概要
SF(サイエンス・フィクション)はときとして未来をリハーサルし、その未来に備えるアイデアを授けてくれることがあります。今回、NTTが研究開発を進めてきた「Another Me」と「感性コミュニケーション」というテクノロジの未来像を、SF作家、テックカルチャーメディア『WIRED』日本版による研究機関「WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所」と描き出しました。果たして、その成果とはいかなるものでしょうか。

Feature Articles: Platform Technologies Supporting Data Governance

■ 概要
現在、世界ではデータに対する取り扱いを厳格化する動きがある一方、安全にデータを処理する技術やルールを整備しデータ流通を加速する動きも出てきています。本稿では、データ流通に影響を与える世界の動向を俯瞰したのち、データの所有者が安全にデータを他者と共有できるようデータをコントロールするデータガバナンスの考え方を説明し、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)時代のデータガバナンスに求められる要件を説明します。
■ 概要
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)が普及し、すべての情報がデジタルツインやAIによって活用される時代を支えるデータ流通基盤であるトラステッド・データスペースについて、その構成要素を説明します。また、暗号化した状態で計算処理を行うことでデータ処理に関するガバナンスを実現する技術群(サンドボックス技術、秘密計算技術、セキュアマッチング技術)を説明します。
■ 概要
NTT技術ジャーナル2021年11月号にて、量子コンピュータ時代でも安全に光トランスポートを行う技術として、セキュア光トランスポートネットワークを紹介しました。本稿では、今後既存の暗号技術から耐量子セキュリティを持った暗号技術へ移行する際に重要であり、量子コンピュータ時代にも考慮する必要がある、クリプトアジリティ、マルチファクタセキュリティといった考え方を解説し、これらの考え方をセキュア光トランスポートネットワークに取り入れるための取り組みについて紹介します。
■ 概要
近年、機器・システム等の調達および保守・運用に関し、サプライチェーンを介して、製品・サービス・事業環境がセキュリティ侵害を受ける「サプライチェーンセキュリティリスク」が顕在化しています。本稿では、このような状況の中、NTT社会情報研究所が取り組んでいるセキュリティの透明性を確保する技術について紹介します。
■ 概要
IOWNプロダクトデザインセンタでは、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)技術の早期実装および普及をめざしています。その活動の中で、複数のIOWN技術や市中技術を組み合わせた新たな価値創造の実現に向けて、さまざまな業界での実証実験を計画しています。本稿では、NTT研究所が取り組んでいるデータガバナンスを支える基盤技術を含む、IOWN技術の組み合わせによる実証の取り組みについて紹介します。

Regular Articles

■ 概要
光電融合の実現に向けて、NTTで新たに開発中の磁力を用いた光コネクタについて紹介します。磁力を用いることで、既存光コネクタにおける機械的締結構造を排することができ、光コネクタの抜本的小型化が期待できます。

Global Standardization Activities

■ 概要
2022年10月にITU-T SG(Study Group)16会合が開かれ、SG16の新体制が発足しました。日本からは副議長1名、WP議長2名が就任しています。ILE(Immersive Live Experience: 超高臨場ライブ体験)分野では新規検討開始の1文書を含む4文書の議論が行われ、触覚情報伝送のための記述子の定義追加などが行われました。またメタバースに関する検討会議が開かれ、FG(Focus Group)の設置がTSAG(Telecommunication Standardization Advisory Group)にはかられることになりました。2023年1月に就任した尾上誠蔵TSB(Telecommunication Standardization Bureau)局長の下、産業界をも巻き込んだ好循環と発展が望まれます。

Practical Field Information about Telecommunication Technologies

■ 概要
NTT東日本技術協力センタでは、原因特定が困難な特異故障解決のための技術支援を行っています。通信技術の基礎知識をテーマとするシリーズ第75弾となる本稿では、落雷による屋外監視カメラの損傷事例を紹介し、その原因と対策について解説します。

External Awards
外部での受賞

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