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7月号 2023 Vol. 21 No. 7

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■ 概要
地域を見つめ、ともに歩んできたNTT東日本グループ。持続的に発展できる地域の循環型ミライをめざしています。災害の甚大化や高度化するサイバー攻撃等、新たな脅威に対抗するべく通信ネットワークのレジリエンスをさらに強化し、危機管理能力と機動力を磨き、高品質で安定した通信インフラの提供に努め「つなぐ使命」を遂行する星野理彰NTT東日本代表取締役副社長に新たな取り組みとトップとしての信条を伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
「アニメのキャラクターの声が想像と違った」「言い淀みがひどいのでスピーチに自信が持てない」「病気や怪我などで失ってしまった自分の声を取り戻したい」等、発話にまつわるさまざまな思いや不自由さがあります。コミュニケーションにおけるさまざまな制約をAI(人工知能)の機械学習や信号処理の力により取り除き、あらゆる人が不自由なく快適にコミュニケーションを行える環境の実現をめざして本分野の最前線で活躍するNTTコミュニケーション科学基礎研究所 亀岡弘和上席特別研究員に研究の進捗と研究活動の醍醐味を伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
ヒューマンコンピュータインタラクションの研究領域では、人がコンピュータを快適に利用するためのさまざまな研究が行われています。NTTではその取り組みの一環として、通信トラフィックの増大による大容量電力消費や地球温暖化といった課題に向けた非電気的デバイスの実現に向けた研究開発を行っています。今回は、電気を使うことなく磁力によって触覚提示を行う「マグネタクト技術」について、安謙太郎特別研究員にお話を聞きました。

Special Report: Commemoration of the Japan Prize

■ 概要
NTTの研究所に在籍されていた中沢正隆博士、萩本和男氏が、2023年Japan Prize(日本国際賞)を受賞されました。光信号を光のまま増幅する小型な光増幅器の実現と、それを利用した大容量の光通信システムへの貢献が評価されたものです。お二人は現在のグローバルなインターネット社会を支える基幹技術である「長距離・大容量光データ通信」への道を拓き、NTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想にも通ずる重要な業績を残されました。受賞を記念して、東北大学 特別栄誉教授 中沢正隆博士と国立研究開発法人情報通信研究機構 主席研究員 萩本和男氏にお話を伺います。

Feature Articles: The Forefront of Cryptography Research with an Eye on the Quantum Era

■ 概要
1976年から始まる現代暗号理論では、攻撃者を多項式時間チューリング機械とみなして安全性を考えていました。しかし、近年の汎用量子計算機の実現可能性はこのモデルを覆すインパクトを現代暗号にもたらしました。NTTの暗号研究は現代における情報システムの安全性を確立する技術を提供するとともに、量子計算機が普及した未来における応用の創出もテーマとしています。本稿では40年に及ぶNTTの暗号研究を概観し、現在の取り組みについて概説します。
■ 概要
「ないことを証明する」、この困難な命題を“悪魔の証明”などといいます。しかし量子のふるまいを利用すれば、関数型暗号における秘密鍵の消去、つまり「消去したこと」を証明できます。また量子のふるまいを利用することで秘密鍵の複製防止も可能となります。本稿では、2022年の国際暗号学会において発表した技術の概要と、実装された場合に期待されるイノベーションについて解説します。
■ 概要
本稿では、量子計算機向けにNTTが考案した新しいアルゴリズムの論文(Verifiable Quantum Advantage without Structure)の概要を解説します。世界中で開発が進む量子計算機は、個別の問題を解くためのアルゴリズムの種類が現状では乏しく、このままでは応用先がごく限られる可能性があります。今回の新アルゴリズムは、この問題の突破口になり得るものです。「構造なしのNP探索問題」と呼ばれる種類の難問の1つを、量子計算機で超高速に回答できることを世界で初めて証明しました。量子計算機の新たな用途の発見につながる成果として、学会でも高く評価されています。
■ 概要
「SHA-2」は世界中で幅広く利用されている暗号学的ハッシュ関数です。量子計算機を悪用した攻撃の可能性が無視できなくなってきた昨今、量子計算機の出現がSHA-2の安全性にどのような影響を及ぼし得るのか、しっかりとした検証が必要です。研究を進めた結果、量子計算機を利用可能な世界では、SHA-2への衝突攻撃の攻撃可能段数が伸び得ることを世界で初めて示すことに成功しました。

Regular Articles

■ 概要
形状変化ピンディスプレイは、多数のピンを作動させることでダイナミックな形状変化を提示します。しかし、これを実現するために多数のアクチュエータを利用すると電気的・機械的構造が複雑になるため、構築には十分なリソースが必要となります。そこで、電子素子を一切使用しない形状変化ディスプレイを考案しました。提案するピンディスプレイは、磁性ピン、ハウジング、マグネットシートで構成されており、マグネットシートと磁性ピンの間に発生する磁力により磁性ピンを上下に動かします。本手法について、磁性ピンの構築手法の考案、磁気ピンの浮上高さの制御手法の確立、およびデザインツールの開発を行いました。

Global Standardization Activities

■ 概要
オペレーションの標準化団体であるTM Forumでは、次世代のBusiness Support System(BSS)/Operation Support Systems(OSS)のアーキテクチャであるOpen Digital Architecture、AI(人工知能)を活用したネットワークの自律運用(Autonomous Network)、デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透度を図るメトリクス化、デジタル化された組織への変革・各人のスキル要素等に関する検討が近年活発化しています。またさまざまなビジネスシーンを想定したCatalyst(PoC:Proof of Concept)プロジェクトでは、Smart-Xビジネスを題材としたインテントを活用したネットワークの自律運用にTM Forumのアセットを活用した取り組みがさかんに行われています。ここでは、これらの動向について解説します。

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